業務日記 表現力を磨くために大切な想像力 ~上から目線の言葉と、共感の生まれる言葉と 2015年8月29日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「言葉はいつまでも、一つの母国である。魂の連帯を信じないものたちにとっても、言葉によるつながりだけは、どうかして信じられないものだろうか?」 …
業務日記 初物の金額にケチをつけるような、無粋な真似はしない 2015年8月28日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 セミは虫たちに主役を譲って、月は歌われるための顔をして宙に浮かぶ。最高気温が30度を超えない日が続くのを天気予報で見つけると、本当に夏が終わ …
業務日記 ひととの繋がり、気配を大切にするということ。ひとの悪口を言わないようにするということ 2015年8月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 想いを伝えることと同じくらいに商売で大切なことは、人の気配をさせることだと思っている。論が正しいのであれば、人が集まり、人の集まるところにお …
業務日記 自分から語るのではなくて、相手から聞いてもらえるようにする会話の工夫 2015年8月25日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 仕事がなければお金もない。お家騒動がバレてはいけないので自分が経営者になったことも明かさない。勢いだけで社長になって20日目、銀行からかかっ …
雑記 膝をついて窪んだ場所に植えた種 ~夏と秋を分ける線に 2015年8月24日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 夏と秋を分ける線を目撃した。 夏の空気を洗うような夕立の雲が過ぎてしばらくすると、思い思いに虫たちが秋を奏で始める。夏の終わり …
読書 小さな秋たちが打ち寄せるようにやってくる、高くなる空に本がますます読みたくなる 2015年8月22日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 芥川賞を受賞した羽田圭介さんの作品スクラップ・アンド・ビルド、同じく芥川賞作品である絲山秋子さんの沖で待つ、歌人の枡野浩一さんの短歌小説すれ …
動画 新幹線の7分間の奇跡 ~おもてなしの心と標準化の仕組みと 2015年8月21日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 東京駅に到着した新幹線の、折り返し発車するまでの7分間で行われる清掃の様子が評判になっている。 https://youtu.be/kt …
雑記 教えられたように教えているときに気がつくこと 2015年8月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 教えられたように教えているとき、あの人もこんな風な想いで僕に接してくれていたのだな、至らぬ僕をこんなにも我慢してくれていたのだな、繰り返してしまう僕をこんなにも許してくれていたのだ …
業務日記 失敗とは人間味のこと 2015年8月19日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 継続して生まれたものは「こんな風にしたからうまくいった」という武勇伝ではなく「こんな失敗をいくつも重ねた」という情けのない話ばかりだ。ただ、失敗は相手の共感を呼ぶことができる。共感 …
雑記 バンドの練習日、音符たちの助けてくれるものは 2015年8月18日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「バンドの練習日なので楽譜を取りに帰った」と書けば、練習のあることがわかっていて持って出るのを忘れたのかとバレてしまいそうだし、「楽譜を取りに帰ったが、何処にあるか分からずしばらく …
業務日記 僕が経営者になって最初にしたことは、隠ぺい工作と変更でした 2015年8月17日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 一年で何日か、自分にだって褒めてほしい日がある。 板宿、アーケードにも降り込んでくる大雨、税理士さんとの決算に関する打ち合わせ終了(よ …
川柳鑑賞 お盆と終戦記念日が重なったのは歴史の偶然 2015年8月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 夕暮れにヒグラシの気配を感じて調べてみたが、お盆と終戦の日が重なったのは偶然らしい。こんなにも物悲しい景色が全て同じ日にあるというのも不思議なことだ。 セミは動物としての本能だけ …
雑記 大阪の空にも秋が泳いで 2015年8月14日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 お盆休み前の最後の打ち合わせは大阪へ。ここからはしばらく事務仕事とライティングに集中する。 コンクリートの街の体感温度は神戸や明石と比較して高く、バテそうになるのだけれど …
情報 兵庫県の温泉に興味があるブロガーの皆さんへ ~「売る」に勝る「伝える」想いを 2015年8月13日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 うちの会社はブログでのプロモーションが功を奏して倒産を免れたので、ブログを通じて興味や関心を集めようとする試みは応援していきたい。 兵 …
雑記 知識を知識のままに伝えるのではなく、「たとえば」と置き換えて伝えることを大切にしたい 2015年8月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 知識を知識のままに伝えるのではなく、「たとえば」と置き換えて伝えることを大切にしたい。 説明が多くなりすぎるなーと思ったら「たとえば」 …
雑記 いわしたちが空を泳いでいた、小さな秋、だんだん ~いわし雲とうろこ雲の違い 2015年8月11日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 いわしたちが空を泳いでいた。 いわし雲とうろこ雲には大きな違いはないそうで、細長いものが目立てば「いわし」、丸っこいものが目立 …
同友会 変化や挑戦のための土壌作りと根回し、優先すべきことは何か。 2015年8月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 同友会では本会と青年部に所属していて、今年はその両方で役を受けている。 しばらく本会の方での役はお休みしていたのだけれど今年から復帰。 …
雑記 ヒグラシガイタ、ヒグラシナイタ。 2015年8月7日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「暦の上では秋」という表現が使われるようになるのが立秋、2015年は8月8日がその日にあたる。 立秋を前にして夕方、秋の季語に出逢って耳を澄ました。ヒグラシガイタ、ヒグラシナ …
雑記 追い風なのだという確信に変わるまで ~リレーマラソンへの挑戦 2015年8月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 8月の終わりにリレーマラソンに参加してみようと思って、今日はその練習に参加してきた。 みなとのもり公園(神戸震災復興記念公園)へ行こう …
業務日記 目と目で会話の出来る人と出逢えることは、僕の何よりの財産だ 2015年8月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 知識や知恵の習得には時間がかかっているわけで、ひとからもらう「無形のなにか」には最大限の敬意を払えるようでありたい。 仕事に関する違和 …
雑記 朝はどんな風に針を進めてしまうのだろう 2015年8月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 無情に進んでいく時間があって、悲哀を片付けていくのも時間なのだということを思うとき、いつもASKAさんの「朝をありがとう」という曲を思い出す。 時間の中で僕たちは生きていて、 …
雑記 何を選んで、何を選ばないのだろうね 2015年8月3日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 飲み会が好きそうだと言われるが、その場にいない誰かのことを肴にして飲むのは得意ではない。自分の愚痴をこぼして相手に聞いてもらうのも申し訳ない気がするし、アドバイスが返ってくれば、そ …
業務日記 売ると選ばれるの違い ~商売は一日にして成らず 2015年8月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たとえばうどん屋さんが、「うちのうどんはオススメですよ」と毎日ネットに書いていたとする。 足を運んでほしくて伝え続けていたのだとしても …
雑記 猛暑日のおんぶ、川沿いの鮎、夏の思い出、意地悪な太陽 2015年8月1日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「平均気温だけを見ると8月よりも7月の方が高いんですよ。お盆が過ぎたら秋の気配です」と書こうとして調べていたら、全然そんなことはなかった。8 …
雑記 目玉焼きには醤油かソースか ~反論には反論の作法があるということを 2015年7月31日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「僕は馬鹿だからよくわかってないんですけど」と断ってから話し始める人の意見ほど、議論の場では尊重されることが多いような気がする。それを思えば …
雑記 書くということは自分の気持ちとの対峙 2015年7月30日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「書きためている文章だから『そのときのテンション』はすでにもう『こっちのテンション』になっていることが多いんだ」 「でも『こっち』だと思って読んでいたら『あっち』っていうこともあ …
情報 短歌入賞のとても丁寧な賞状と記念品をいただいた! 八百津町に行ってみたくなった! 2015年7月29日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 先日この記事で、短歌で賞をいただいたことを書きました。 八百津町杉原ウィーク2015短歌大会、佳作入賞しました! 嬉しいよ! | 川柳 …
雑記 TKGのような絶対と絶対ではないものと 2015年7月28日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 生きていくのも会社を守っていくのも人の数だけ方法があって、正解があるわけではない。僕には僕の生存戦略があるし、「これが生存戦略なのです」と語ったときに頷いてもらえることが多くなった …
業務日記 僕は僕をバカと言ってもらえるような生き方をしたい ~デーブスペクターさんや高田純次さんに憧れて 2015年7月27日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 デーブ・スペクターさんや高田純次さんのようになりたいと思う。 BEGINが年取ったらBIGEN— デーブ・スペクター (@ …
読書 仙川環さんの「隔離島:フェーズ0」を読んでいる 2015年7月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 隔離島: フェーズ0 (新潮文庫)を読んでいる。 医療を題材とした作品の多い仙川環さんの作品はすべて読んできた。マクロな人間社会のなか …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]廃屋の窓辺に鳴らぬオルゴール/川村やまと 2024年11月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 オルゴールを囲んだのは、愛だっただろうか団らんだっただろうか。もう、その温かい光景には及ばず、廃屋のオルゴールは窓の外を眺めて余生を過ごし …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]甘えてもいいかと聞けばいいと猫/吉田佐知 2024年11月13日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 動物たちはけっして言葉を話すわけではないけれど、その分、いつも温かな空気になって部屋をやわらかくしてくれる。 あさろうたをクッション …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]鉛筆を静かに研いでいる夜更け/倉本智子 2024年11月11日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 明け方の静寂に、今ここは僕の世界だと思うことがある。走り出したくなる衝動が湧いて、朝は決意に満ちた時間だ。今日という日を描いていく強い覚悟 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]太陽と風に会いたい水中花/中村優実子 2024年11月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ああそうか、と思った。コップの中でひとを和ませる造花や鳥、魚などの玩具たちは、透き通る内側にいても、けっして太陽には触れず、風を聞かない場 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]アンテナを真っ直ぐ立てて生きている/倉本智子 2024年10月3日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 噂話だったり悪口だったり。負を帯びた話に目も耳も向ける必要はないのに、右へ左へ、僕のアンテナは無限に受信を続けようとする。澄んだ水を受けれ …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]浪費している人生の砂時計/とがみかつすけ 2024年10月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たとえば18歳だったころを思い出してみる。部活動に勤しみ、受験勉強に苦しみ、恋を追いかけては切なさを知った青春時代。さて、では、はたして、 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]ラの音に包まれている五月晴れ/戸田わか子 2024年9月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 元々は梅雨の晴れ間のことを五月晴れと呼んだが、今は五月の晴天をそう呼ぶこともすっかり定着した。言葉の使い方は変化していくが、こぼれるような …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]燃える恋出来ぬ哀しき雪女/みぎわはな 2024年8月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 情熱的な恋のできない雪女の悲哀を詠んだユニークな句。熱を帯びた感情を持ってしまえば、彼女の命は一瞬で潰えてしまう。つまり、冷凍庫のなかで愛 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]君だけのたったひとつになりにゆく/末盛ひかる 2024年7月29日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 この句の下五が「なりたくて」だと、ただの願望になってしまい、動かない位置から君に憧れているだけの様子を詠うものになってしまう。語尾を「なり …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]そして子は飛び立つ母の滑走路/辰巳和子 2024年7月18日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 松山千春さんが歌う『生命』という曲の中に、「この子の人生を見届けられるなら最後まで見守ってあげたいと思うね」という一節がある。そう願うも、 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]藤棚の下で待とうか待たそうか/新貝里々子 2024年7月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 妖艶にひとを魅了する蔓性の藤は、何かに絡んで成長をしていく。この句は、ひとは誰かにもたれて生きていく生き物であることへの暗喩なのかもしれな …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]カラフルな爪で三つ指つかれても/三好春美 2024年6月28日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 三つ指。 辞書には「親指、人差し指、中指の3本の指を床について、ていねいに礼をすること」と書いてある。家庭内の軽い挨拶の意味ではない …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]最後までひとり芝居を演じ切る/上田ひとみ 2024年6月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 小さな会社を経営して20年近くになる。会合やお付き合いの席で見せる顔は仮面のそれ。どんな脚本の中にいて、今、自分はどんなキャストを演じてい …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]星巡る楽観してもしなくても/赤井花城 2024年5月27日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 軽やかに生きている人たちは決断が早い。僕はそんな憧れたちの存在を、いつも足踏みしながら眺めている。夜は長く、やがて朝が来たら動かなければな …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]不器用な口でもロマン持っている/石田酎 2024年5月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 愛を語らないからといって、愛を持たないわけでない。むしろ、秘めたる情熱ほど燃え上がりやすいような気もする。はて、ということは、饒舌にロマン …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]母はもう父と逢えたか 冬銀河/藤本健人 2024年5月25日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 澄んだ空気、長い夜。冬は宇宙までが近くなり、僕たちは逝ってしまった存在たちを浮かべては安らかな日々を祈る。拙作に『死んですぐ謝ることを決め …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]おみくじの吉は信用しない能登/藤原紘一 2024年5月24日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 一年でいちばん「おめでとうございます」という挨拶が行き交う日に、能登半島で大地震が起こった。その土地に生きる人たちにとって、この日はこれか …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]友の背の丸さに無沙汰詫びている/倉本智子 2024年5月23日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 大学時代はまだハンバーガーが100円くらいで買えた。5つを重ねてぎゅっと口に押し込む。僕らはそれを「ファイブバーガー」と呼んで笑い合った。 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]消しゴムで消してしまえる程の過去/鈴木尚子 2024年5月22日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 過ぎてみれば人生のほとんどに、何をそれだけ沈み、憂うことがあったのだろうと思うことがある。「思い出」という言葉からは甘さと切なさが、「過去 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]捨てられぬ本と瞳があう夏の部屋/嶋村幸 2024年5月21日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 読書感想文という夏休みの宿題があったせいだろうか。記憶の中の本棚は、太陽と蝉と扇風機を連なって立ち上がってくる。いつか、いろいろなことが落 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]ヒロインを気取りヒールを高くする/倉本智子 2024年5月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ジョギングに行く、信号で止まる、ストレッチをする。そのとき僕はイチロー選手になる。車を運転する、助手席からカメラを向けられている想像をする …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]生きている恐い世界の真ん中で/平松直樹 2024年5月19日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 通りを行く人たちに肩がぶつからないよう小さく歩いても、いま、ここは世界の真ん中なのだ。作者はそれを「恐い」と言った。なんという実感のこもっ …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]八日目の蝉は命を懸けて鳴く/谷口修平 2024年5月18日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 出逢い、残すために鳴く八日目の蝉たち。命はもうエキストラタイムだ。対して、僕たちは生まれた瞬間から余命を生きている。「まだ明日がある」と今 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]いつ迄も光っていたいペンの先/戸田わか子 2024年5月16日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 子どもの頃、体育の授業が大嫌いだった。跳び箱は山の如く、鉄棒は氷の如く存在して僕の視界を暗くした。何の取り柄もなかった自分だが、作文だけは …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]善人の仮面を外す二十二時/遠藤より子 2024年5月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 明石家さんまさんは、いつもあのテンションで人を笑わせるのだそう。裏表なく、ずっと同じ態度で人と付き合える人はすごいと思う。二十二時。夜、一 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]立ちすくむ君の背中に泳ぐ月/末永小娟 2024年5月14日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 立ちすくむという表現に見る絶望、悲哀。その背中に、月は泳いでいる。この「あはれ」を織り込んだ情景と情緒とのコントラストに強く惹かれた。止ま …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]トモダチが見つかりそうな虫図鑑/妻木寿美代 2024年5月13日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 楽しい。友だちではなくトモダチと表記する。外国の方がカタカナでそう伝えるように、作者は昆虫たちをトモダチと書いて、異文化を持つ同等の存在で …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]人生の第三幕のプロローグ/中島敦子 2024年5月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 四十代後半になって、一気に後輩が増えた感がある。病気をして入院もした。自分はいわゆる現役世代、その後半に足を踏み入れたのだなと思う。これか …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]疑問符を集めわたしの辞書にする/こやまひろこ 2024年5月11日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 味方ではなく、辞書と表現したところに作者の強い意思が表現されている。味方は揺らぐものだが、辞書は絶対的存在。その強い言葉に対して、「違和感 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]肩書きが多くさてさて何者か/𠮷田佐知 2024年5月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 わかる。すごくよくわかる。肩書きのたくさんある名刺をいただくことがある。よくわかる。「全日本肩書きを並べて自尊心と虚栄心を満たしてしまう委 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]フェイクファー風を含んで湿りだす守りたいのは正しさじゃない/法橋ひらく 2015年6月22日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 フェイクファー風を含んで湿りだす守りたいのは正しさじゃない 法橋ひらく それはとても速くて永い (新鋭短歌シリーズ) べき …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]母と目が初めて合ったそのときの心でみんな死ねますように/岡野大嗣 2015年3月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 母と目が初めて合ったそのときの心でみんな死ねますように 岡野大嗣(twitter/blog「第2ファスナー」) サイレンと犀 (新鋭 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]ならべるとひどいことばにみえてくる頑張れ笑え負けるな生きろ/岡野大嗣 2014年12月24日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 Amazonでサイレンと犀を購入すると、特典に安福望さんのポストカードがついてきた。安福望さんはこの本の装画と挿し絵を描いている方で、神戸の …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]自殺者の三万人を言いしときそのかぎりなき未遂は見えず/吉川宏志 2014年11月23日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 自殺者の三万人を言いしときそのかぎりなき未遂は見えず 吉川宏志 燕麦―吉川宏志歌集 (塔21世紀叢書) 新しい看板のまま、 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]三月の十日の新聞手に取れば切なきまでに震災前なり/中村偕子 2014年10月25日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 三月の十日の新聞手に取れば切なきまでに震災前なり 中村偕子 変わらない空 泣きながら、笑いながら 東日本大震災を経験した五 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]トングにて肉の赤きを返しつつこの四半期をねぎらわれおり/松村正直 2014年10月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 トングにて肉の赤きを返しつつこの四半期をねぎらわれおり 松村正直(blog) 午前3時を過ぎて (塔21世紀叢書) 空想で …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]多すぎる言葉を払い落したらきれいな空が広がっていた/中畑智江 2014年10月3日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 多すぎる言葉を払い落したらきれいな空が広がっていた 中畑智江 同じ白さで雪は降りくる (新鋭短歌シリーズ15) 「愚痴なら …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]かの時に言ひそびれたる大切の言葉は今も胸に残れど/石川啄木 2014年9月1日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 かの時に言ひそびれたる大切の言葉は今も胸に残れど 石川啄木 一握の砂 血圧や呼吸、心拍を伝える集中治療室のモニター。僕たち …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]風鈴の思い出しては鳴っているあれはゆうべの星との会話/杉崎恒夫 2014年8月23日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 風鈴の思い出しては鳴っているあれはゆうべの星との会話 杉崎恒夫 パン屋のパンセ 縁側、冷たい水。蝉の声、高校野球の実況中継 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]だまし絵に騙されあっていましたね でたらめにうつくしかった日々/笹井宏之 2014年8月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 だまし絵に騙されあっていましたね でたらめにうつくしかった日々 笹井宏之 てんとろり 放課後や夏休みは永遠に続くように思わ …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]新しい朝が来たけど僕たちは昨日と同じ体操をする/木下龍也 2014年5月28日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 新しい朝が来たけど僕たちは昨日と同じ体操をする 木下龍也(twitter) つむじ風、ここにあります 新しい朝という言葉に …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]助手席のクーラーからは八月の土のにおいが漏れて 遠雷/山崎聡子 2014年5月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 助手席のクーラーからは八月の土のにおいが漏れて 遠雷 山崎聡子(twitter) 手のひらの花火 歌人の穂村弘さんは、この …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]あと少しのぼれば空が見えますよ抱きしめているもの捨てなさい/東直子 2014年5月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 あと少しのぼれば空が見えますよ抱きしめているもの捨てなさい 東直子(twitter) 十階 短歌日記2007 荷を背負った …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]夕空が鳥をしずかに吸うように君の言葉をいま聞いている/大森静佳 2014年4月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 夕空が鳥をしずかに吸うように君の言葉をいま聞いている 大森静佳(twitter) 歌集 てのひらを燃やす (塔21世紀叢書) …
短歌鑑賞 穂村弘さん監修の「はじめての短歌」に呻りっぱなし ~穂村弘さんってどんな人? 2014年4月19日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「短歌で自己表現をしたい」「短歌がもっと上手になりたい」と思う人には最適な教科書であるのは勿論、穂村弘さんならではの文体が読み物としても面白 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]Googleにホットスポット記されず北北東の風に吹かれる/天道なお 2014年4月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 Googleにホットスポット記されず北北東の風に吹かれる 天道なお(twitter/blog) NR 何年も通った校舎の前 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]わたくしは水と炭素と少々の存在感で生きております/笹井宏之 2014年4月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 わたくしは水と炭素と少々の存在感で生きております 笹井宏之 ひとさらい 昨日歩いた道のどこかで見かけたタンポポの数を僕たち …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]さみしくて見にきたひとの気持ちなど海はしつこく尋ねはしない/杉崎恒夫 2014年3月13日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 さみしくて見にきたひとの気持ちなど海はしつこく尋ねはしない 杉崎恒夫 パン屋のパンセ 作者の杉崎さんは大正8年生まれ。20 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]たくさんの孤独が海を眺めてた等間隔に並ぶ空き缶/木下龍也 2014年2月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たくさんの孤独が海を眺めてた等間隔に並ぶ空き缶 木下龍也 つむじ風、ここにあります ソチ五輪のフィギュアスケートで日本男子 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]降りだせる雨に気づけるきみを見て恋の終わりを予感しており/小島なお 2014年1月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 降りだせる雨に気づけるきみを見て恋の終わりを予感しており 小島なお サリンジャーは死んでしまった クロージングやデート。 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]真実がもしも山なら君たちが登ったところで徒労ではない/中島裕介 2014年1月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 真実がもしも山なら君たちが登ったところで徒労ではない 中島裕介 もしニーチェが短歌を詠んだら 効率のいい方法、近道。 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]あまたなる人の患ひのもととなりし海にむかひて魚放ちけり/今上天皇(平成) 2014年1月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 あまたなる人の患ひのもととなりし海にむかひて魚放ちけり 今上天皇(平成) 天皇陛下:水俣など訪問地を題材に短歌 天皇陛下は …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]たっぷりと春を含んだ日溜まりであなたの夢と少し繋がる/笹井宏之 2014年1月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たっぷりと春を含んだ日溜まりであなたの夢と少し繋がる 笹井宏之 えーえんとくちから 理論は統計で、統計は感情や思惑の積み上 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]知り合いの勝手に動く掃除機を持っていそうな暮らしをおもう/吉田恭大 2014年1月7日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 知り合いの勝手に動く掃除機を持っていそうな暮らしをおもう 吉田恭大 短歌研究 2013年11月号 スタートラインは同じだっ …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]この街が廃墟になっても後ろ手に空を見上げたままなのでしょう/東直子 2014年1月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 この街が廃墟になっても後ろ手に空を見上げたままなのでしょう 東直子 十階 短歌日記2007 明石駅に降り立った父は、ホーム …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]そのゆびが火であることに気づかずに世界をひとつ失くしましたね/笹井宏之 2013年12月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 そのゆびが火であることに気づかずに世界をひとつ失くしましたね 笹井宏之 え-えんとくちから 「人それぞれ」とお題目のように …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]忘れてはならぬ何かを念のため記したはずのあのメモがない/小島ゆかり 2013年12月16日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 忘れてはならぬ何かを念のため記したはずのあのメモがない 小島ゆかり 純白光 短歌日記2012 忘れっぽい人のことを集中力や …