業務日記 強くなれない組織に、巣を蹴飛ばすような真似をした 2015年11月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 7月に撮影したツバメの巣。親鳥は注意深く、だけど何度も繰り返しひな鳥たちにエサを運んでいた。 動物の世界では、今後の成長が見込めなくな …
業務日記 挨拶文やスピーチの文章作成や添削のご依頼 ~商業ライターと詩人のちがい 2015年11月8日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 この時期になってくると、新年度の人事に伴う挨拶文やスピーチの文章作成や添削のご依頼が増えてくる。 体裁を良くするために文章を綺麗にし過 …
雑記 能力に光あれ 2015年11月7日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 雨の予報、予定していた明石から姫路まで夜通しウォーキングする企画は順延にした。一時間単位で予報がわかる便利な時代。そういえばポケベルが登場したのは46年も前のことらしい。もっと最近 …
雑記 撤去された歩道橋と、作り上げられていくこれからと 2015年11月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 明石駅前の再開発に伴って、国道にかかる歩道橋が撤去されていた。 人も街も地球も、個の抱えられる数には限界がある。新しい景色が見たけ …
同友会 理想と数字と本音と建前と 2015年11月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 名古屋まで、同友会の打ち合わせ。 理想だけでもダメだし、現実だけでもダメ。現実という足元を固めながら理想を追いかけていく。そんな舵取りについて聞く、疑問をぶつける。 本音と …
雑記 ラーメンに浮いた髪の毛と、眠れない日々の蒼い息 2015年11月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 頼んだラーメンに髪の毛が入っていたけれど、それを注意する元気がなかった。 今年はリレーマラソンにも挑戦した、バンドでのライブにもトライ …
雑記 責任を果たすための撤退 2015年11月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たとえば、これまでなら3時間で出来たことが、今は倍近くの時間を要するようになってしまった。疲れているのかもしれないし、必要だった感性や能力が涸れてきたのかもしれない。夕方になると視 …
雑記 これからもバンドを続けていきたい ~芦屋みどりの音楽祭に出演して 2015年11月1日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 芦屋みどりの音楽祭に出演、楽しかった。 寒くて指は動かないし、暗くて楽譜を読むことができない。風で楽譜はめくれてしまうし、屋内とは違う …
雑記 かつての漫才の夢、いつかのピアノの懐古 2015年10月31日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 かつて漫才コンビを組んでいた相方にライブの報告をすると「その前座でネタを披露せーへんか?」と返信があった。冷たい風を浴びたあとにピアノを演奏する勇気は、今の自分にはない。 ▼ …
雑記 今年最後のライブと、追いかけてくる年末と 2015年10月30日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 何百人という方の前でライブをして興奮したかと思えば、近年稀に見るくらいのショックな出来事があったり、車を発注して納車が待ち遠しいかと思えば、月末で慌ただしかったりした。プラスとマイ …
雑記 演奏をする機会を与えてくれたすべての方に感謝、ピアノを習わせ続けてくれた母からの返信 2015年10月28日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たくさんの経営者たちの前でバンド演奏をする機会に恵まれた。 人前で演奏するというこの時間、この場所、この予算と、様々な配慮が必要な中で …
業務日記 僕の生き方、僕の考え方、商人の矜持 ~車の買い替えで考えたこと 2015年10月27日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 車検を通すか、買い替えるか、ずっと考えていた。 7年お付き合いしてきたディーラーさんに断りの電話。サービスの方たちは本当に素敵で、車の …
雑記 鉄分補給してきた! 山陽電車の鉄道フェスティバル2015 2015年10月24日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 山陽電車の鉄道フェスティバル2015に立ち寄ってきた。 新型車両6000系が近々デビューするとあって、50年選手となる3000 …
雑記 選ぶとは選ばないこと ~川柳コンテストの審査員を務めて 2015年10月23日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 昔、とある人を想って「祈ってますからね」と伝えたところ、「自分には特定の信仰がありますので、それ以外への祈りはやめてほしい」と返事をされてし …
業務日記 Googleに評価される文章の書き方 2015年10月21日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 早朝に呟けば「徹夜ですか」と労ってくださり、昼間に更新すれば「夜は会議ですね」と察してくださる。ブログの毎日更新にこだわる僕が、24時直前に記事をアップすると「夜遅くまでお疲れ様で …
雑記 持つ者を羨み、持たない自分を僻み 2015年10月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 持っていない僕は、持っている人を羨む。冗談の顔をしてその話題をすり抜けていくけれど、本音では聞きたくないと思っている。 僕がそうなのだから、同じように、されて嫌な人だっているだろ …
業務日記 神戸で一番さん付けをされる会社になれば、ブランディングは成功したと言えるのだろうか 2015年10月19日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 前川企画印刷のことを、「神戸で一番さん付けをされる会社」だと僕は書いて、その理由を問われる会話の流れに持ち込もうとする。答え方はいつも決まっ …
情報 第5回芦屋川プロジェクト2015・芦屋みどりの音楽祭に出演が決まりました 2015年10月18日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 第5回芦屋川プロジェクト2015・芦屋みどりの音楽祭に出演が決まりました。 出演アーティスト&スケジュール|芦屋みどりの音楽祭兵庫県中 …
雑記 ふるさと納税と14,276日目の想いと 2015年10月17日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 自分が生まれた1976年9月16日から数えると、2015年10月17日は14,276日目になるらしい。 今日は何日目? これまでの人生で最良の日、最悪の日。そこから下っ …
業務日記 これが本気で、これが仲間なのかと思って失望した一日 2015年10月16日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 自分で決めた「こんなもんでいいか」なんてものは、周囲から「よくやった」と評価されることはない。自分が壊れるくらいまで必死にやって、周囲から止 …
雑記 帯の向こうの不確かに 2015年10月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 とぅくとぅくと漁船たちは朝を震わせて 橙の帯は少しずつ星を白く消していく 鳥たちはもう、今日を歌いはじめた ここには何もないけれど 何もないことの幾年 在って いま パチンと …
業務日記 「手法」は「勘」を否定するけれど、「手法」は「想像」には及ばない 2015年10月14日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ガラケーからiPhoneに機種変更した母親が、LINEのスタンプ機能が楽しい楽しいと言って送りつけてくる。物事の価値はすべて数値で表されると …
業務日記 prideには「誇り」の意味もあれば「思い上がり、うぬぼれ」の意味もある 2015年10月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 結果を出している人に憧れて、継続を始めて、結果を出している人の10分の1の努力もしないあたりで、「あれにはなんの効果もなかった」という人は、 …
iPhone/モバイル/PC/NET 表現者のためのiPhoneアプリ制作会社、出版社であり続けたい 2015年10月11日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 8月のリレーマラソンに参加して以後、あまり長距離を走っていなかったので今日は長めのコース。走り終えてRuntasticで計測した距離を確かめ …
雑記 終電の終わった時間に、明石から姫路まで、夜通し一緒に歩いて達成感と自信を得ませんか 2015年10月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 日経ビジネスアソシエ2015年11月号の付録が万年筆だった。 本当はもっと万年筆で文章を書きたいのだけれど、以前、カバンの中で万年筆を …
雑記 未来は今を、恨めしく思うだろうか 2015年10月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 虫だけが秋を歌って、海峡を渡る汽笛がかすかに聞こえる。やがて朝のバイクがやってきて、カラスたちが存在を知らしめるような声で街を賑やかにする。明け方の4時や5時くらいにはいつもtwi …
業務日記 名刺交換を終えた相手に送るお礼状の文面が、誰にでもあてはまるものになっていないだろうか 2015年10月7日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 株式会社虎屋さんが休業するにあたって、ウェブに掲載した文章が「商売人の鑑である」とネットで話題になっている。 赤坂本店、および虎屋菓寮 …
業務日記 負のスパイラルからの脱出 2015年10月6日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「日本が勝った」とか「日本人がノーベル賞を受賞した」とか、世界に日本の何かが認められると心が揺さぶられて涙が溢れてくる。何かを無性に頑張りたくなってくるのだけれど、「何か」と書いて …
雑記 忙しく見えても、暇に見えても 2015年10月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 忙しい印象を与えてしまって先方にお気遣いをいただいても申し訳ないと思うし、そこまで暇だと思われているのかということに気付いて腹立たしくも思うし、自分がどんな風に見られているのかとい …
業務日記 内輪ことばの勉強会やセミナーに決して参加しない理由 ~知らない人への想像力 2015年10月3日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 いろんな勉強会やセミナーに誘われるけれど、その会に参加した人たちだけが理解できる言葉を、その会に参加したことのない人の前で使っている集まりに …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]廃屋の窓辺に鳴らぬオルゴール/川村やまと 2024年11月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 オルゴールを囲んだのは、愛だっただろうか団らんだっただろうか。もう、その温かい光景には及ばず、廃屋のオルゴールは窓の外を眺めて余生を過ごし …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]甘えてもいいかと聞けばいいと猫/吉田佐知 2024年11月13日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 動物たちはけっして言葉を話すわけではないけれど、その分、いつも温かな空気になって部屋をやわらかくしてくれる。 あさろうたをクッション …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]鉛筆を静かに研いでいる夜更け/倉本智子 2024年11月11日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 明け方の静寂に、今ここは僕の世界だと思うことがある。走り出したくなる衝動が湧いて、朝は決意に満ちた時間だ。今日という日を描いていく強い覚悟 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞日記]太陽と風に会いたい水中花/中村優実子 2024年11月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ああそうか、と思った。コップの中でひとを和ませる造花や鳥、魚などの玩具たちは、透き通る内側にいても、けっして太陽には触れず、風を聞かない場 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]アンテナを真っ直ぐ立てて生きている/倉本智子 2024年10月3日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 噂話だったり悪口だったり。負を帯びた話に目も耳も向ける必要はないのに、右へ左へ、僕のアンテナは無限に受信を続けようとする。澄んだ水を受けれ …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]浪費している人生の砂時計/とがみかつすけ 2024年10月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たとえば18歳だったころを思い出してみる。部活動に勤しみ、受験勉強に苦しみ、恋を追いかけては切なさを知った青春時代。さて、では、はたして、 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]ラの音に包まれている五月晴れ/戸田わか子 2024年9月4日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 元々は梅雨の晴れ間のことを五月晴れと呼んだが、今は五月の晴天をそう呼ぶこともすっかり定着した。言葉の使い方は変化していくが、こぼれるような …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]燃える恋出来ぬ哀しき雪女/みぎわはな 2024年8月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 情熱的な恋のできない雪女の悲哀を詠んだユニークな句。熱を帯びた感情を持ってしまえば、彼女の命は一瞬で潰えてしまう。つまり、冷凍庫のなかで愛 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]君だけのたったひとつになりにゆく/末盛ひかる 2024年7月29日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 この句の下五が「なりたくて」だと、ただの願望になってしまい、動かない位置から君に憧れているだけの様子を詠うものになってしまう。語尾を「なり …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]そして子は飛び立つ母の滑走路/辰巳和子 2024年7月18日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 松山千春さんが歌う『生命』という曲の中に、「この子の人生を見届けられるなら最後まで見守ってあげたいと思うね」という一節がある。そう願うも、 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]藤棚の下で待とうか待たそうか/新貝里々子 2024年7月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 妖艶にひとを魅了する蔓性の藤は、何かに絡んで成長をしていく。この句は、ひとは誰かにもたれて生きていく生き物であることへの暗喩なのかもしれな …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]カラフルな爪で三つ指つかれても/三好春美 2024年6月28日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 三つ指。 辞書には「親指、人差し指、中指の3本の指を床について、ていねいに礼をすること」と書いてある。家庭内の軽い挨拶の意味ではない …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]最後までひとり芝居を演じ切る/上田ひとみ 2024年6月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 小さな会社を経営して20年近くになる。会合やお付き合いの席で見せる顔は仮面のそれ。どんな脚本の中にいて、今、自分はどんなキャストを演じてい …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]星巡る楽観してもしなくても/赤井花城 2024年5月27日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 軽やかに生きている人たちは決断が早い。僕はそんな憧れたちの存在を、いつも足踏みしながら眺めている。夜は長く、やがて朝が来たら動かなければな …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]不器用な口でもロマン持っている/石田酎 2024年5月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 愛を語らないからといって、愛を持たないわけでない。むしろ、秘めたる情熱ほど燃え上がりやすいような気もする。はて、ということは、饒舌にロマン …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]母はもう父と逢えたか 冬銀河/藤本健人 2024年5月25日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 澄んだ空気、長い夜。冬は宇宙までが近くなり、僕たちは逝ってしまった存在たちを浮かべては安らかな日々を祈る。拙作に『死んですぐ謝ることを決め …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]おみくじの吉は信用しない能登/藤原紘一 2024年5月24日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 一年でいちばん「おめでとうございます」という挨拶が行き交う日に、能登半島で大地震が起こった。その土地に生きる人たちにとって、この日はこれか …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]友の背の丸さに無沙汰詫びている/倉本智子 2024年5月23日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 大学時代はまだハンバーガーが100円くらいで買えた。5つを重ねてぎゅっと口に押し込む。僕らはそれを「ファイブバーガー」と呼んで笑い合った。 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]消しゴムで消してしまえる程の過去/鈴木尚子 2024年5月22日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 過ぎてみれば人生のほとんどに、何をそれだけ沈み、憂うことがあったのだろうと思うことがある。「思い出」という言葉からは甘さと切なさが、「過去 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]捨てられぬ本と瞳があう夏の部屋/嶋村幸 2024年5月21日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 読書感想文という夏休みの宿題があったせいだろうか。記憶の中の本棚は、太陽と蝉と扇風機を連なって立ち上がってくる。いつか、いろいろなことが落 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]ヒロインを気取りヒールを高くする/倉本智子 2024年5月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 ジョギングに行く、信号で止まる、ストレッチをする。そのとき僕はイチロー選手になる。車を運転する、助手席からカメラを向けられている想像をする …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]生きている恐い世界の真ん中で/平松直樹 2024年5月19日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 通りを行く人たちに肩がぶつからないよう小さく歩いても、いま、ここは世界の真ん中なのだ。作者はそれを「恐い」と言った。なんという実感のこもっ …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]八日目の蝉は命を懸けて鳴く/谷口修平 2024年5月18日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 出逢い、残すために鳴く八日目の蝉たち。命はもうエキストラタイムだ。対して、僕たちは生まれた瞬間から余命を生きている。「まだ明日がある」と今 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]いつ迄も光っていたいペンの先/戸田わか子 2024年5月16日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 子どもの頃、体育の授業が大嫌いだった。跳び箱は山の如く、鉄棒は氷の如く存在して僕の視界を暗くした。何の取り柄もなかった自分だが、作文だけは …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]善人の仮面を外す二十二時/遠藤より子 2024年5月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 明石家さんまさんは、いつもあのテンションで人を笑わせるのだそう。裏表なく、ずっと同じ態度で人と付き合える人はすごいと思う。二十二時。夜、一 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]立ちすくむ君の背中に泳ぐ月/末永小娟 2024年5月14日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 立ちすくむという表現に見る絶望、悲哀。その背中に、月は泳いでいる。この「あはれ」を織り込んだ情景と情緒とのコントラストに強く惹かれた。止ま …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]トモダチが見つかりそうな虫図鑑/妻木寿美代 2024年5月13日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 楽しい。友だちではなくトモダチと表記する。外国の方がカタカナでそう伝えるように、作者は昆虫たちをトモダチと書いて、異文化を持つ同等の存在で …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]人生の第三幕のプロローグ/中島敦子 2024年5月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 四十代後半になって、一気に後輩が増えた感がある。病気をして入院もした。自分はいわゆる現役世代、その後半に足を踏み入れたのだなと思う。これか …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]疑問符を集めわたしの辞書にする/こやまひろこ 2024年5月11日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 味方ではなく、辞書と表現したところに作者の強い意思が表現されている。味方は揺らぐものだが、辞書は絶対的存在。その強い言葉に対して、「違和感 …
川柳鑑賞 [川柳鑑賞]肩書きが多くさてさて何者か/𠮷田佐知 2024年5月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 わかる。すごくよくわかる。肩書きのたくさんある名刺をいただくことがある。よくわかる。「全日本肩書きを並べて自尊心と虚栄心を満たしてしまう委 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]フェイクファー風を含んで湿りだす守りたいのは正しさじゃない/法橋ひらく 2015年6月22日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 フェイクファー風を含んで湿りだす守りたいのは正しさじゃない 法橋ひらく それはとても速くて永い (新鋭短歌シリーズ) べき …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]母と目が初めて合ったそのときの心でみんな死ねますように/岡野大嗣 2015年3月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 母と目が初めて合ったそのときの心でみんな死ねますように 岡野大嗣(twitter/blog「第2ファスナー」) サイレンと犀 (新鋭 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]ならべるとひどいことばにみえてくる頑張れ笑え負けるな生きろ/岡野大嗣 2014年12月24日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 Amazonでサイレンと犀を購入すると、特典に安福望さんのポストカードがついてきた。安福望さんはこの本の装画と挿し絵を描いている方で、神戸の …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]自殺者の三万人を言いしときそのかぎりなき未遂は見えず/吉川宏志 2014年11月23日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 自殺者の三万人を言いしときそのかぎりなき未遂は見えず 吉川宏志 燕麦―吉川宏志歌集 (塔21世紀叢書) 新しい看板のまま、 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]三月の十日の新聞手に取れば切なきまでに震災前なり/中村偕子 2014年10月25日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 三月の十日の新聞手に取れば切なきまでに震災前なり 中村偕子 変わらない空 泣きながら、笑いながら 東日本大震災を経験した五 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]トングにて肉の赤きを返しつつこの四半期をねぎらわれおり/松村正直 2014年10月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 トングにて肉の赤きを返しつつこの四半期をねぎらわれおり 松村正直(blog) 午前3時を過ぎて (塔21世紀叢書) 空想で …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]多すぎる言葉を払い落したらきれいな空が広がっていた/中畑智江 2014年10月3日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 多すぎる言葉を払い落したらきれいな空が広がっていた 中畑智江 同じ白さで雪は降りくる (新鋭短歌シリーズ15) 「愚痴なら …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]かの時に言ひそびれたる大切の言葉は今も胸に残れど/石川啄木 2014年9月1日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 かの時に言ひそびれたる大切の言葉は今も胸に残れど 石川啄木 一握の砂 血圧や呼吸、心拍を伝える集中治療室のモニター。僕たち …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]風鈴の思い出しては鳴っているあれはゆうべの星との会話/杉崎恒夫 2014年8月23日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 風鈴の思い出しては鳴っているあれはゆうべの星との会話 杉崎恒夫 パン屋のパンセ 縁側、冷たい水。蝉の声、高校野球の実況中継 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]だまし絵に騙されあっていましたね でたらめにうつくしかった日々/笹井宏之 2014年8月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 だまし絵に騙されあっていましたね でたらめにうつくしかった日々 笹井宏之 てんとろり 放課後や夏休みは永遠に続くように思わ …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]新しい朝が来たけど僕たちは昨日と同じ体操をする/木下龍也 2014年5月28日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 新しい朝が来たけど僕たちは昨日と同じ体操をする 木下龍也(twitter) つむじ風、ここにあります 新しい朝という言葉に …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]助手席のクーラーからは八月の土のにおいが漏れて 遠雷/山崎聡子 2014年5月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 助手席のクーラーからは八月の土のにおいが漏れて 遠雷 山崎聡子(twitter) 手のひらの花火 歌人の穂村弘さんは、この …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]あと少しのぼれば空が見えますよ抱きしめているもの捨てなさい/東直子 2014年5月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 あと少しのぼれば空が見えますよ抱きしめているもの捨てなさい 東直子(twitter) 十階 短歌日記2007 荷を背負った …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]夕空が鳥をしずかに吸うように君の言葉をいま聞いている/大森静佳 2014年4月26日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 夕空が鳥をしずかに吸うように君の言葉をいま聞いている 大森静佳(twitter) 歌集 てのひらを燃やす (塔21世紀叢書) …
短歌鑑賞 穂村弘さん監修の「はじめての短歌」に呻りっぱなし ~穂村弘さんってどんな人? 2014年4月19日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 「短歌で自己表現をしたい」「短歌がもっと上手になりたい」と思う人には最適な教科書であるのは勿論、穂村弘さんならではの文体が読み物としても面白 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]Googleにホットスポット記されず北北東の風に吹かれる/天道なお 2014年4月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 Googleにホットスポット記されず北北東の風に吹かれる 天道なお(twitter/blog) NR 何年も通った校舎の前 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]わたくしは水と炭素と少々の存在感で生きております/笹井宏之 2014年4月5日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 わたくしは水と炭素と少々の存在感で生きております 笹井宏之 ひとさらい 昨日歩いた道のどこかで見かけたタンポポの数を僕たち …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]さみしくて見にきたひとの気持ちなど海はしつこく尋ねはしない/杉崎恒夫 2014年3月13日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 さみしくて見にきたひとの気持ちなど海はしつこく尋ねはしない 杉崎恒夫 パン屋のパンセ 作者の杉崎さんは大正8年生まれ。20 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]たくさんの孤独が海を眺めてた等間隔に並ぶ空き缶/木下龍也 2014年2月15日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たくさんの孤独が海を眺めてた等間隔に並ぶ空き缶 木下龍也 つむじ風、ここにあります ソチ五輪のフィギュアスケートで日本男子 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]降りだせる雨に気づけるきみを見て恋の終わりを予感しており/小島なお 2014年1月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 降りだせる雨に気づけるきみを見て恋の終わりを予感しており 小島なお サリンジャーは死んでしまった クロージングやデート。 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]真実がもしも山なら君たちが登ったところで徒労ではない/中島裕介 2014年1月12日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 真実がもしも山なら君たちが登ったところで徒労ではない 中島裕介 もしニーチェが短歌を詠んだら 効率のいい方法、近道。 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]あまたなる人の患ひのもととなりし海にむかひて魚放ちけり/今上天皇(平成) 2014年1月10日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 あまたなる人の患ひのもととなりし海にむかひて魚放ちけり 今上天皇(平成) 天皇陛下:水俣など訪問地を題材に短歌 天皇陛下は …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]たっぷりと春を含んだ日溜まりであなたの夢と少し繋がる/笹井宏之 2014年1月9日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 たっぷりと春を含んだ日溜まりであなたの夢と少し繋がる 笹井宏之 えーえんとくちから 理論は統計で、統計は感情や思惑の積み上 …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]知り合いの勝手に動く掃除機を持っていそうな暮らしをおもう/吉田恭大 2014年1月7日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 知り合いの勝手に動く掃除機を持っていそうな暮らしをおもう 吉田恭大 短歌研究 2013年11月号 スタートラインは同じだっ …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]この街が廃墟になっても後ろ手に空を見上げたままなのでしょう/東直子 2014年1月2日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 この街が廃墟になっても後ろ手に空を見上げたままなのでしょう 東直子 十階 短歌日記2007 明石駅に降り立った父は、ホーム …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]そのゆびが火であることに気づかずに世界をひとつ失くしましたね/笹井宏之 2013年12月20日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 そのゆびが火であることに気づかずに世界をひとつ失くしましたね 笹井宏之 え-えんとくちから 「人それぞれ」とお題目のように …
短歌鑑賞 [短歌鑑賞]忘れてはならぬ何かを念のため記したはずのあのメモがない/小島ゆかり 2013年12月16日 batacchi 川柳と短歌をこよなく愛する明石のコピーライターの日記 忘れてはならぬ何かを念のため記したはずのあのメモがない 小島ゆかり 純白光 短歌日記2012 忘れっぽい人のことを集中力や …