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[川柳鑑賞日記]教室の中で歪んでいく背骨/埜藤裕子

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幼稚園児の頃の記憶。プランターの花はまっすぐに伸びて、チューリップの歌を何度も口ずさんだ。あの花は、横に並んだ色たちをうかがうこともなく、自分の色をただ空に向けて伸ばそうとしていた。やがて窮屈な狭い部屋を通り過ぎて、花は同調色の茎になっていく。灰色の世界で、僕たちが量産されていくようになった。

教室の中で歪んでいく背骨/埜藤裕子
川柳ふあうすと 2025年1月号

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