ああそうか、と思った。コップの中でひとを和ませる造花や鳥、魚などの玩具たちは、透き通る内側にいても、けっして太陽には触れず、風を聞かない場所にいるのだ。憧れに遠いまま、彼女たちはずっと微笑の顔で世界に閉じ込められる。その永遠を思うと苦しくなってしまった。
過去の満ちた時代から逃れられず、創造の源泉をそこに置く自分も、もしかすると水中花に似ているのかもしれない。詩人は皆、水の中の永遠に住んでいるとかなんとか。
太陽と風に会いたい水中花/中村優実子
川柳ふあうすと 2024年11月号
ああそうか、と思った。コップの中でひとを和ませる造花や鳥、魚などの玩具たちは、透き通る内側にいても、けっして太陽には触れず、風を聞かない場所にいるのだ。憧れに遠いまま、彼女たちはずっと微笑の顔で世界に閉じ込められる。その永遠を思うと苦しくなってしまった。
過去の満ちた時代から逃れられず、創造の源泉をそこに置く自分も、もしかすると水中花に似ているのかもしれない。詩人は皆、水の中の永遠に住んでいるとかなんとか。
太陽と風に会いたい水中花/中村優実子
川柳ふあうすと 2024年11月号