たとえば18歳だったころを思い出してみる。部活動に勤しみ、受験勉強に苦しみ、恋を追いかけては切なさを知った青春時代。さて、では、はたして、今年、この一年を将来、僕はどんな風に思い出すことになるのだろう。せいぜい、ため息の光景を浮かべるくらいだろうか。青と蒼のちがい。同じ時間を過ごしているはずなのに、近年、砂の速さばかりを見送っているような気がする。やがて砂が尽きるとき、どんな悔いを残したくないか。あれやこれやと妄想をしては、また、時間だけが過ぎていく。
浪費している人生の砂時計/とがみかつすけ
川柳ふあうすと 2024年10月号