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[川柳鑑賞]藤棚の下で待とうか待たそうか/新貝里々子

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妖艶にひとを魅了する蔓性の藤は、何かに絡んで成長をしていく。この句は、ひとは誰かにもたれて生きていく生き物であることへの暗喩なのかもしれないが、それを悪戯な響きで表現するところが憎い。

待つことは苦にならない。でも時々、待たせてみたいとも思う。僕は君を待ってもいいのだろうか。僕は君が待っていてくれるほど価値ある存在なのだろうか。花の下。僕は僕を知りたくて、君を試したくなる。

藤棚の下で待とうか待たそうか/新貝里々子
ふあうすと 2024年7月号

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