三つ指。
辞書には「親指、人差し指、中指の3本の指を床について、ていねいに礼をすること」と書いてある。家庭内の軽い挨拶の意味ではないかとする説もあるようだが、ともかく、僕はこの句を読んで笑ってしまった。ガムを噛みながら「すんませんっした」と詫びてきた若者のことを思い出したからである。
そういえば「最近の若者は」という言葉は、古代エジプトの遺跡にも記されていたそうだ。いつの時代も、世代との認識の違いに”すこし大人”な人たちは戸惑ってきたのだろう。昭和と平成を抜けて、令和に立った僕たちは、やっぱりどうしても息苦しさを覚えてしまう今どきの景色だね。
カラフルな爪で三つ指つかれても/三好春美
ふあうすと 2024年6月号