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[川柳鑑賞]台本があったみたいに猫通る/徳長怜

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大阪の下町を歩いた。時代ばかりが先へ急いで、内面になんの変化もない自分に焦る。ので。ときが止まったように思える空間にいると妙に落ち着くのだ。においまでもが懐かしく、どんなクラシックもこの喧騒ほどの癒やしを僕に与えない。ああ、いい時間だと思いながら路地裏を通ると、今日もご苦労さんと言わんばかりの顔をした肥えた猫が、ゆっくりと目の前を通り過ぎていった。

台本があったみたいに猫通る/徳長怜
ふあうすと 2024年4月号

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