雑記 PR

大人になってもピアノでいられた。

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「右手と左手が別々の動きをしてるのって、不思議」

ピアノに馴染みのない方から、よく言われることだ。

少し意識を遠のかせ、弾いている自分自身を観察してみる。
すると、自分の中にいる自分を客観視している自分がいることがわかる。

脳のどの部分から、どんな信号が指先に伝わるのかはわからない。
ただ、自然と指が動いているような感覚に全身が支配されはじめると、
なんとも言えない幸福感に包まれるようになってくる。

僕は、ピアノが大好きなんだな、と思う。

言葉の仕事をしていることもそう、音楽を趣味とすることも勿論。
手話を習ったきっかけや、英会話に夢中になったのだって、きっと、
心の内側を「表現する」ということが楽しかったからだろう。

大好きだと思えるもの、幸せを感じられるもの。
そんな、原点らしきものを一つ一つ確かめながら、生きていきたい。

鍵盤から遠のくと ―。

もう、弾けなくなってしまったのではないか、という不安に襲われることも。
でもそんなことはない、音符はいつでも待ってくれている。

温めるように指を、そろりそろりと動かし始めてしばらく。

やがて、包まれ、やがて、溶けて、心地良い感動の中に僕はいる。

いつまでも、こんな自分でありますように。
ピアノのある毎日、それがずっと、夢だった。

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