東野圭吾さん、「嘘をもうひとつだけ」。
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人は衝動的に、人は些細なことで嘘をつく。
嘘は連鎖させねばならない。
けれど、嘘はいつか見抜かれる。
たとえ一方で、真実ばかりの関係を築いていたとしても。
それが、違う一方に対する嘘の上に成り立っていたのだとすれば。
執念とも言える感情で、その真実は、破壊されてしまうのだ。
嘘をついて ― 刺されてもいいと思った。
嘘をつかれて ― 刺してもいいと思った。
つまり。
誰の心にも悪魔は住んでいて、
時に人は、嘘をつき、嘘を許さず、永遠の感情だけを存在させる。
それが、嘘の終章、悲しくも、切なくも。