季節外れ、紫陽花の夢を見た。
ゆっくりと咲いている。滴を待っている。
僕の傘も同じように、出番を静かに待っている。
目を細めては、行き交う人たちを物思いに眺めるベンチ。
ただほっと出来る、雨を待っていた。
ただずっと待っていた、そんな夢。
今年の紫陽花は、どんな風だったのだろう。
僕は今度、どんな風に紫陽花を眺めるのだろう。
もう、秋。 まだ、秋。
つい、いろんなことを考えてしまう季節で嫌になる。
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鳥居を見付けては、お地蔵さんを見付けては、祈る。
大切なものを、いつまでもずっと大切だと言い続けられるよう、
過ごしてきた、愛してきた。
愛おしい存在へ、これからも変わらぬ気持ちで、心を込めて祈る。
優しい場所で待っている。
笑顔になれる時間を待っている。
どうか、どうか、絶対、ぜったい、どうか、どうか。