この広き空のした。
笑っている人もいる、泣いている人もいる。
明日に希望を持つ人もいる、昨日に悔いを残している人もいる。
自分の心を空に浮かべて。
ひとつふたつ、笑えるものを紐解いてみたり。
みっつよつ、悲しいものを閉じこめてみたり。
しながら、しながら。
秋だなぁと呟いてみる。
いつか、刺す痛みから包む優しさへと変化して、太陽。
背中から、ぽかぽか。
長くなる影。
どこへ向かっても、秋はそこに存在して、進むのを止めない。
やがてやってくる寒さを予感させては、心に刺さる。
日焼けした皮が剥がれていくような、そんな淋しさを覚え。
まだ夏が終わってほしくないと思ったのは、生まれて初めてだった。