「頑張ります」という言葉が響かないのは、生きていく以上、誰だって頑張ることは当たり前だと思うからです。たとえば歯を磨くことを頑張るというでしょうか、たとえば呼吸をすることを頑張ると表現するでしょうか。本当に頑張るということは、「具体的に」「なにを」「いつまでに」と日付を入れて実践するということだと思います。あるいは「継続」することかもしれません。
世の中にはいろいろな人がいます。ここ数年、自分がしんどい思いをするのは酒癖の悪い人とのお付き合い。お酒を飲んだときに本音をぶつけられると、普段からそういう思いを抱きながら僕と接してくれていたのだな、と残念な気持ちになってしまいます。「いま」というこの瞬間が残念になるのではなく、「これまで」のすべてが嘘に思えてしまう。悲しいことです。
酒癖の悪い方は、自分にとって適切なアルコール量を知る必要があります。とはいえ、楽しくて美味しいお酒のことです。律するというのも難しいことでしょう。そうであれば、もう、お酒自体をやめるべきなのかもしれません。楽しいお酒とひきかえに、大切な人からの信頼を失ってしまって良いというものでもないでしょう。お酒の力を借りて伝えた本音は相手を深く抉ります。「ごめんなさい」は手遅れなのです。
心身の状態が健やかでなければ、良質なパフォーマンスを提供できません。
これは僕の仕事にかぎらず、すべての人において言えること。
だから僕は、できるだけ、ストレスという負荷のかからない状態を選んでいきたいと考えています。酒癖の悪い方とのお付き合いはこのポリシーに反すること。アルコールに溺れる自分を律することができない方のお仕事は、残念ながらお受けすることができません。また、進行形の仕事であっても、同様のことがあれば、躊躇なくお断りさせていただきます。
あえてこのようなことを明言するのは、僕にもやっぱり、色々とあるからです。僕は「宣言」して「酒癖の悪い方とのお仕事をお受けしない」ことを「頑張り」ます。僕や僕たちを選んでくださるすべての方のために、これはとても大切な「信念」なのですよ。