印刷屋さんであるうちの会社には「店を出したい」「起業したい」という方がよく、相談に訪れてくださいます。
すぐにお店をつぶしてしまう人たちにある3つの法則
色々な想いを聞かせていただけるのは大変嬉しく、何が何でも成功してほしいと僕たちも一生懸命応援をするのですが、うまくいかない商売にはある法則が存在するような気がしています。今日紹介する記事は、まさにそのあたりのことが上手にまとめられていて、なるほどなぁと思いながら読みました。
飲食店経営に手を出して、ズバリ「地獄にはまった」漫画家の話(折原 みと)
「飲食店経営に手を出して地獄を見る人の『三つの共通点』」そんなタイトルに惹かれてこの記事を読んだ瞬間、思わず吹き出してしまった。年始に、何気なく現代ビジネスのサイトを覗いていた時のことだ。「これ、私のことじゃん!」ーー漫画家兼小説家の折原みとさんの赤裸々な告白。
このブログの記事にもありますが
・お客さんの気持ちから逆算せず、自分のやりたいことだけを正義にしてしまう
・友だちが来てくれる(仕事を回してくれる)から大丈夫だという妄信
この2点については特に僕たちも感じているところです。「脱サラしてお店を開くのですが、サラリーマン時代の友だちが来てくれることになっています」とか「こういうお店が世の中にはないので、絶対にうまくいくと思うのです」とか。とても悲しいことですが、今まで、このセリフを口にされた方々の多くは、お店や会社を廃業されていきました。
また、最近は
・SNSを上手に活用すれば、口コミが増えてリピーターが増えてくれるはず
という言葉もよく聞きます。これは間違ってはいないと思うのですが、しかし、だからといって、アナログな人との繋がりを無視して良いとも思いません。SNSだけで開業や開店の案内を済ませていないでしょうか。ちゃんと電話をしましたか。ちゃんと会いに行きましたか。自分の肉声で、こんな想いでお店を開きますと伝えましたか。
無駄なことだと言う方もいると思います。効率が悪いと言われる方もいるでしょう。
でもやっぱり、ここは日本。義理人情の国です。一見、遠回りにも思えるこのようなコミュニケーションこそが、案外、人との繋がりを強化するのです。
SNS、販促物はあくまでも手段。繋がるのは人の心同士、繋がるためには同じ軌跡
成功してきた人たちの多くは、靴底をすり減らしているのです。先人たちは、やはり、自分と同じような努力を重ねた人ほど可愛いと思うものです。そういう人たちこそ、影響力を持っています。影響力を借りようと思えば、同じように、靴底をすり減らす努力、姿勢を見せることは大切です。そして、その挨拶のときに持っていく営業ツールは、単なる「手段」です。印刷屋である自分が言うのもおかしいかもしれませんが、営業ツールに時間とお金を費やし過ぎるくらいなら、人との繋がりに想いを費やすべきです。SNS、販促物はあくまでも手段。繋がるのは人の心同士、繋がるためには同じ軌跡です。
そういえば、心理学にもありますね。「吊り橋効果」というやつで、同じ体験をしたもの同士は仲良くなりやすいというものです。恋愛のテクニックとしてもよく使われるのだそうです。
自分だけが合理的に、自分だけが効率良く。
人は楽をしたいと思う生き物なので、そう思ってしまうことは悪ではありません。ただ、人を巻き込んだり、人の協力を得て事を成しえていくためには、一見遠回りに見えるようなものに価値を見出すことも大切です。
今日も、明日も、明後日も。うちの会社には新規開業の相談に来られる方がいらっしゃいます。販促物はあくまでもツール。そのことを自分たち自身、今一度確認しながら、新しい商売の取り組みを応援していきたいと思います。