小学生のころの野外活動で、三室山に登山をしました。中学生のころは氷ノ山に、大学生のころは比叡山、大人になってからは六甲山を登りました。
山は、登ってきた道が見えるのがいいですね。一歩一歩をコツコツと積み上げてきたのだな、と思うと、その景色を制したことに感慨深い気持ちになります。
「感慨深い」と「感動」の違いは何? 「感慨深い」の正しい意味と使い方について
「感慨深い」と「感動」の意味の違いと使い方について紹介しています。ポイントは「点」か「線」か。この違いを使い分けることで、より印象深い心の動きを表現できるようになります。
昔から運動神経の悪かった僕は、いつか鉄棒はバーナーで焼き切ってやろうと真剣に考えていました。指先も不器用で、「うさぎちゃんリンゴを剥く」という家庭科の授業では、家庭科の授業なのに見学を命じられたことがあります。勉強もできなくて、高校生のころの三者面談では、担任から「現役合格は厳しいと思うので、予備校を考えておくと良い」と言われたこともあります。
得意なことは何もなかったのです。ただ、あれもこれも、「得意そう」に見せることは上手でした。世渡り上手というやつですね。取り繕ってその場を凌いで生きていく。僕の人生はずっと、そんなでした。目立つことは得意でしたが、中身は常に空っぽだったのです。
焦りました。このままで世の中に通用するわけはないとも思いました。実際そうです。経験値の高い大人たちは、僕が空っぽであることをすぐに見抜きました。「空箱」を評価してくれる人はいません。僕はだから、その中身を埋めていく必要に迫られました。
そうして選んだのが「コツコツ」を継続することでした。ブログにしてもそう、ジョギングにしてもそう、経営にしてもそう、投資にしてもそう。一度に大きなことをするのではなく、毎日、息切れしない程度に出来ることを継続していこうと考えたのです。その一歩一歩は小さくても、登山と同じく、登りながら振り返れば感慨深く、さらに上を目指してコツコツを継続していくモチベーションになるだろうと思いました。
もちろん、いま、僕がいる場所は、まだ山の中腹。登り詰めるには相当の努力が必要ですが、でも、登山口ではないよな、と自分を認めてやれるくらいの高さには来ているのだろうと考えています。コツコツ、コツコツ、振り返り、そしてまた、コツコツ。
振り返り過ぎて、先を見なくなってしまっても駄目だろうとは思うのですが、時折、この「感慨深いと思える心境」を大切にしてやることも大切ですね。途上とは道半ばということでもありますが、スタートしたころよりはゴールに近づいているということを表してもいるわけです。
コツコツ、コツコツ、自分だけが認めてあげることのできる、コツコツ。
何度でも、この感慨深い気持ちに浸っていきたいなぁと思います。
足元に響きつづけるのは、コツコツという音だけがずっと。