5匹の愛犬たちに会いに行ってきた。
骨を預かってもらっている霊園には、ほかにもたくさんの動物たちが眠っている。すぐ隣の骨壺には、サンタクロースの小さな帽子がかぶせられていて(それが宗教的になんらかの不具合があるのだとしても)、この家族の心の距離に微笑ましい気持ちになることができた。
しばらく喋って、ろうそくと線香を消して、部屋を出ていこうと立ち上がる。ふと、どんな風に、僕はそれぞれのリードを引いていたのだろうと思い出そうとした。瞳を閉じて、歩きなれた公園の土の上を想像する。思い思いに、みんなは自由な方向へ歩いていこうとする。僕は引かれるままに歩くこともあれば、面倒くさそうに、そっちじゃないよこっちだと、自由を奪っていたこともあったっけ。
たったひとつだけ、願いが叶うのなら、僕はやっぱり彼らとの再会を選ぶだろう。今度はいつまでも、どこまでも自由に歩かせてやりたい。謝らないといけないね、ちゃんとしてあげられなかったことを。ありがとうを言わないといけないね、こんなにも温かい気持ちにしてくれたことを。
部屋を出る。外には冷たい風が吹いていた。