「道具(ツール)」への意識を高めようと思ったのが2015年の夏のことだった。
特別に高いものを選ぼうというわけではない。あれば便利になるもの、捗るもの。時間を短縮できるもの、モチベーションの上がるもの。生産性の高くなる道具に囲まれた環境に身を置いて、仕事の質を変化させたいと考えたのだ。
作業をしていて、イライラする瞬間がある。その瞬間をノートに書き留めていく。ノートに同じことが増えれば増えるほど、ストレスによって生産性の落ちていることが判断できる。改善するべき優先順位が明らかになって、「あらためる」ための時間と金の投資は惜しみなく行った。結果、去年と飛躍すると、僕の仕事の生産性は飛躍的に向上して、新しい仕事を増やしていけるようになった。足元を見つめなおすことで、好循環を作り出せるようになったのだった。
勢いだけ。体力だけでやってきたのが、これまでだったのだろうと思う。しかし、四十代になったこれからは、同じペースでやっていけるとは考えていない。うちの会社でも「楽になるためにはどうしたらいいだろう」というテーマを皆で共有して、その仕組み作りに取り組んでいる。改革というと大げさかもしれないが、小さな改善を積み上げていくことでしか、幸せな未来は共有できない。「今のままではだめだ」という真摯な想いがあればこそ、次の10年の道筋が見えてくる。
足元の草を刈ったら、道が見えてくる。足元の草を刈らずして遠くを見据えても、簡単には前に進むことができない。道具によって生産性を変えることはできたが、さて、チーム全体にはいったい何が必要なのだろうか。「考え」だけでなく「行動計画」について話し合いをしてみよう。