「こんな風に真剣になっている横顔を撮影してあげたいな」とか「この笑顔を写真にしてあげると喜ばれるんじゃないかな」だとか。あるいは「この素敵な人柄を、こんな文章で紹介してみせよう」なんかも。
自分の表現の何かが相手に喜ばれて、それが次の機会を運んできてくれる。循環。始まりはいつも、「得意」や「経験」ではなく、喜んでほしいという「想い」から。その一瞬、その一点。背中に長い定規を入れて遊んだように、軸をもって、相手の喜びを自分のエネルギーに変換していく。だから続けられるのだと思う。
相手から何を得るのか、ではなく、相手に何を与えられるのか。普段仕事をしていて埋没しがちな初心や原点を、思い出させてくれるのはお客様の声だ。その声を聞きたい一心で尽くす。やっぱりそれが、僕の思う商売人の在り方なのである。
循環は、はじまりの一点から。