東京にある大宅壮一文庫は、五木寛之さんや立花隆さんも通った雑誌専門の小さな図書館。ここが今、存続の危機に立たされているという記事。文中の言葉が良かったので引用にて紹介する。
「『1つの情報1個をうのみにするんじゃないぞ』と『縦、横、斜めから見て、いろんな情報も集めて、それを自分でそしゃくして自分の意見にしろ』と。雑誌のなかには変わった意見だとか、ちょっと外れたのとか平気で書かれているわけですから。それを自分で読み取って判断する力が大事なんだと」。
生涯、雑誌を読みあさった大宅壮一。こんなことばを遺しています。
「つまらん本ほどいいんだ。ゴミダメの中にあるようなものがいいんだな」。
インターネットで簡単に情報が手に入る今の時代だからこそ、雑多な情報から“物事の本質を読み取る目”を持つことが大切だと、今も私たちに問いかけているのだと思います。
相手を信用する、好きになる理由は様々だが、多くの文献や情報に触れようとする習慣を持つ人に不快感を持つことはない。情報過多の時代。厳選された情報を選ぼうとする時点で思い込みが本質を阻害している可能性がある。たくさんのもののなかから感じ取ること。活字を鵜呑みにするのではなく、行間にあるものを読み取っていく目を養いたいと思う。