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持つ者を羨み、持たない自分を僻み

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持っていない僕は、持っている人を羨む。冗談の顔をしてその話題をすり抜けていくけれど、本音では聞きたくないと思っている。

僕がそうなのだから、同じように、されて嫌な人だっているだろう。自分がされたら嫌だなと思いながら話題を選ぶのも、また、想像力。相手の持っていないこと、相手が喪失してしまったことに触れて、乾いた風を吹かしてはならない。

同じスタートからの幾年。所在はあちこち。持つ人を称えることが出来ず、持たない自分を僻んでいる。秋、高い空の下、己の小ささを思い知る。

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