うちの会社の近所にある湊山温泉。一度は廃業を表明していたものの、営業を存続することが決まった。嬉しいニュース。
平清盛ゆかりの湯として親しまれながら、今月10日の営業を最後に閉店が決まっていた「湊山温泉」(神戸市兵庫区湊山町)が、新たな運営会社の下、存続することになった。苦境を知った静岡の企業が手を差しのべた。廃業1週間前の朗報に、従業員と利用客がともに喜んだ。
普通の銭湯と湊山温泉の大きな違いは源泉かけ流しであるかどうかということ。すべての浴槽が源泉かけ流しになっているというのは利用者にとっては魅力的だが、上下水道料金を減免する一般公衆浴場(=水道料金が安い)の適用が受けられず、2004年から水道料金が4倍近くに跳ね上がってしまい経営を圧迫していた。温泉という名前ではあるが、店の雰囲気や規模は銭湯そのものである湊山温泉が一日あたり5万円近いと言われるコスト増を営業努力で何とかしてこられたのは本当に大変なことだったろうと思う。
新しい運営会社となった伊豆高原ビール株式会社は静岡に本社を構え、低迷していた地元の温浴施設を立て直した実績もある。新会社となった以降も現湊山温泉の社長以下従業員の方の雇用も継続されるという。
うちの会社でいうところのブロガー名刺と似たような試みで、ブログで紹介してくださった方に2000円相当の入浴剤をもれなくプレゼントするというサービスも実施されている。コスト負担になりすぎない程度で同じような試みを湊山温泉でも実施してもらえたら、関西風呂ブロガーたちが力を発揮してくれそうだ。
必要とされて残り続ける。お店や会社は営利のためだけにあるのではないということを改めて知る。お店のこれまでの努力、何とか残ってほしいと声をあげた人たち、実際に救いの手を差し伸べてくれた会社。そのひとつひとつ、ひとりひとりの行動力に学ぶことは多い。