メンバーのしている仕事の一つ一つすべてに目を向けていたら、彼らは仕事を「与えられる」ものだと思うだろう。それは仕事ではなく作業だ。ところが、お客様からの期待を裏切らないためには進捗や品質についての責を担う必要もあって、完全に放置していて良いというわけにはいかない。踏み込み過ぎないようにしながら、視界の中にはあるという程度の関わり方。これが本当に難しくて、悩ましい。自分自身もプレイヤーとして動く以上、時間の制約もある。その時間を削れば、今度は数字が回らなくなって僕たちは息絶えてしまう。
ヒトに性善説、コトに性悪説。人のことは信用しても人のするコトにはミスがあるという前提で臨む(このことについてよく書かれた本が人を信じても、仕事は信じるな!/小山昇著)。意識だけではなく仕組みを構築していく。効率を求めてそれをデジタルで行おうとすると、結局人はその作業を怠るようになってしまう。試行錯誤の末、アナログに、一つ一つのやり方を見える化するようになってからは「足らず」は減ってきたような気はする。それでも、目指すところにはまだまだ遠くて、昨日も今日も、僕たちは気付かない間に積み上げた信用を壊すようなことを繰り返し続けている。
いつも発展途上、道のりは険しく、目指すところははるか。失ってしまったものに心から申し訳なく、踊り場から転げ落ちたような心の痛みを忘れずに、変わっていかなければならないと思う。