亡くなった父の言葉を思い出すとき、もう触れることのできない犬たちの温度を想うとき、いつだって壊れてしまいそうになる。
喪失の悲しみを知って、もう、これ以上に辛いことはないだろうと思っていた僕を襲ったのが大好きなアーティストが逮捕されるというニュースだった。
嫌なことがあれば詩に書いて心を静めてきたし、ピアノに感情をぶつけては負のエネルギーを曲に昇華させてきた。
そんな風な僕の礎にあるのは、やっぱりASKAさんやCHAGEさんの詞とメロディで、ふたりとの出逢いがなければ書くことを生業には出来なかっただろう。逮捕という重い事実はふたりの、そして僕の歴史にも黒い影を落としたことは間違いない。ただ、それによってこれまでの楽曲が色褪せることはないし、これからの価値が変わることもない。
「ファンクラブの休止」という文字は、真っ黒なペンキになって胸の奥の写真たちを塗り潰していく。通い慣れた校舎がなくなる感覚に似ているのかもしれないと思った。
複数は、一つの対象に向かうとき、一つの空間に集うとき、他人という関係で影響しあう。それがあったから出会えた人もいれば、今回のこれがあって剥がれてしまった人もいる。この関係は奇跡で、脆くもあるのだということ。僕たちはいつも、千切れかけた綱を頼って川を渡り、糸のような弱さの繋がりで伝達しあってる。
雨の直前、風が来て夏の海岸、パラソルは飛んで人たちが逃げて行く様子を眺めていた。晴れたら、また、ここには人が集う。では、僕たちはいつ、晴れるのだろうと、破った封筒を手にしながらずっと考えていた。空はすぐ、こんなに青いのにね。
Chageさんのインタビュー。答えのなかに何度も出てきた「僕ら」という複数形に壊れそうなくらい泣いてしまった。「僕ら」にはたくさんの複数と、長い歴史と、とても小さな複数が含まれているんだろうと思った。
— 西端康孝 / 川柳家・歌人 (@bata) 2014, 12月 25
欠落のない未来などなくてイマ消えないような色になりたい
#短歌
— 西端康孝 / 短歌 (@bata_nka) 2014, 12月 18
悲哀の極限は失うことだと思っていた。ところが、それだけではなかったのだということを初めて知った。日常のバランスは「表裏」のバランスで微妙に保たれていて、壊れたり崩れたりする音が聞こえ始めるだけで心にヒビが入る。脆さを生きているからこそ、願う、頼る、信じる、甘える、そんな行為や思惑を求めていく場所が大切なのだということを覚えた。
手にしたものが確かめようとすると突然
時は思わぬ方へ いままでの流れ変える
equal (ChageLiveTour2014 〜 equal 〜)
Chage
ジャンル: J-Pop
リリース日: 2014-11-05
価格: 250円
posted with sticky on 2014.12.31
不安定なとき、何が安定の中心にあったのかがわかる。
幸せを求めるのではなく、幸せになりたいと思える今が一番の幸せなのであるということを知ったのは、今年一番の学びだったように思う。
誰かの期待や、誰かの健康、インフラ。それに応えようという責任感で仕事をする人はブラックな人なのだろうか。ブラックな会社で働いているということになるのだろうか。風雨強まる中、緊急手術が行われる病院に血液を運ぶ使命を与えられた人がいたとする。その人の仕事は、ただ嵐のなかを行動しなければならないというだけでブラックだと揶揄されてしまうのだろうか。その人が守る家族たちは「嵐の中を仕事に行かなければならないだなんて、ひどい会社ですね」と笑われてしまうのだろうか。
ブラック企業という言葉を聞くたび、いろんな人の心の痛みを想像した。同時に、自分自身がブラック企業の社長と言われているような錯覚も覚え続けた。
自分と比べて上だから妬む、下だから蔑む。様々な発信に簡単に触れられる時代になって、思惑の色々を目にするたび、とても疲れるようになってしまった。「そういうもんだよ」と言われるのであれば「そういうもんではない世界で生きていきたい」という想いを強くしたのも2014年だった。誰か何かを変えるよりも自分が変わる方が楽だという考え方、それを具現化する取捨選択を2015年からは行っていこうと考えている。
何もない自分が、唯一、自分の積み上げてきたこれまでを振り返ることができる、それがブログという場所。ブログという集積。登る山の頂上までの高さに絶望的な気持ちになっても、登ってきたこれまでを振り返れば自信が持てるように、僕の歴史が僕の背中を押してくれる。追い風を自分で作っているような感覚がブログにはある。
引用元:目標達成!一年間毎日ブログを更新して得たもの ~年間で120万人以上の方々にブログを読んでいただいた | 川柳をこよなく愛する明石のタコ
今年最後の忘年会へ。
「望年会」と書くことを否定する人もいるけど、今年はそんな人たちを「忘」れ、言葉のチカラを大切にする人たちとの距離を縮められた「望」ましい一年だったな。
会社は明日まで。仕事は31日まで続きます。仕事のあることが有り難い。
— 西端康孝 / 川柳家・歌人 (@bata) 2014, 12月 28
2014年、後半になって手ごたえを感じるようになったこと。
継続を意識する、継続のための時間をつくる。継続するためのモチベーションと仕組みを作る、継続の結果を資産にして、そこから新しい継続を生み出していく。それに共感してくれた人が集まってきてくれる。会社の経営理念を「伝わる喜びを想像して伝えるチカラを創造する」と改めたのも今年の夏からで、以来、僕はこれを基準に新しい事業への取り組みとメンバーの評価を行うことに決めた。言われてやることは作業、お客さんのお客さんを創造して創りだすものが仕事。作業と仕事の違いを明確に区別して評価する。時間を作って行動していく。これが僕たちの新しいスタイル。
浸透は道半ば、ただ、発信を継続してきた自分には大きな変化がいくつも訪れるようになった。「そういうもんではない世界で生きていきたい」という願望が、夢というほど遠いものではないと思えるようになってきた。これは継続の成果で、継続は僕に芯を与えてくれた。種から伸びていく芽や花は、芯に巻き付きながら上へと伸びていく。
時間に追いかけられた人間が休むのは、借金を返すのに一生懸命になったことを褒美として浪費する行動に似ている。時間を追いかけた人間だけが得られるものがあるということを自覚したい。
— 西端康孝 / 川柳家・歌人 (@bata) 2014, 12月 23
リスクとリターンの関係。
たとえば政治家のせいにして自分がリスクを取らないあいだに、他の誰かはそのリスクを取っていれば、取らない人と取る人のあいだに差が生まれるのは当然のことだ。リスクというのは危険と考えるより、未来への投資と考える。いまの自分の持つ時間やお金という資産を投資できて初めて、未来にテコが作用していくようになる。未来をイメージして今を投資する。2015年も僕は引き続き、この考え方を行動判断の軸にしていく。
2015年これから
他を許容して、他からの干渉を受けない。リスクを取らずしてリターンを求めるものとは己の価値観に適合しないと判断する。結果、そういう場所と仲間のいるコミュニティ・ネットワークを構築していく。ここに自分がいるのだという旗をちゃんと振っていく。継続するチカラ、表現するチカラを信じて、目の前にいる人とその向こう側にいる人に何を与えられるかを考えて行動していく。Give&Give。得られた利潤のなかから、引き続き、犬や動物たちの命と場所を守る活動を支援していく。
もちろん、一番忘れてはならないことは「そんなひとつひとつに共感してチャンスを与えてくださるすべての人々に感謝して生きていく」こと。生かされている、与えられている、だから今があるということを感謝して行動していきたい。
2014年、大切な時間を自分に分け与えてくれたすべての方々に感謝して、もう、2015年の一日目に向けて行動を開始していくことにする。