「Facebookでこういうサービスが流行していますが、SPAMアプリの可能性がありますので十分注意しましょう」っていうのはなるほど、確かに正しい知識。ところが、事実を知っていてもあえて書かない人がいて、その理由は悪意なくサービスを使ってしまった人を傷付けないための配慮だということがある。これは生きていく知恵。
知識と知恵の違いとは
知識で他に貢献することを生業とする人が増えてきて、知っている存在であるということを伝える重要度は増している。ところが、やっぱり人は人からモノを買う生き物であるから、安易に言葉を発して人を傷つけてしまってはいけないという考え方をする人が多い。ネット上だけで自我を確立させてきた人と、リアルな人との繋がりで個のブランドを確立させてきた人では、実社会においては後者の方が高い評価を得やすい。
これを僕は「人付き合いの間(ま)」と称していて、少なくとも、今の四十代より上の方々と接するときには特に大切にするべきことだと考えている。ネット社会が当然に存在してきた若い層に対しては案外本音をぶつけてしまった方が付き合いやすいことも多いけれど、社会は色々な年代で構成されていることを考えれば、最大公約数の姿勢を選ることが生きていくための知恵だと思っている。正論も、間を読まなければ通らない。知っていることでも、知らない顔をして相手に聞けるかどうか。相手を立てると、上から水は流れてくる。それは泥水でもなんでもなくて、物事を円滑に動かしていくための湿り。
知識や技術だけでなく、やっぱり、人は人からモノを買う。
ひとのことを伝えることも与えることなのだと知れば、今日から出会う人や会話のすべてが、知識や技術と同じだけの価値を持つものになるのだと捉えられるようになるのかもしれませんね。
知識がなければ相手にされないこともある。知識をひけらかしても相手にされないこともある。知識を知恵で覆うことが出来れば、人との間に繋がりが生まれる。そんな謙虚さを知るためには、やっぱり人の集まる場所に行くことが重要なんだろうと思っている。井の中は居心地が良いということを蛙は知らなければならない。
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ジャンル: ブック
リリース日: 2012-05-16
価格: 500円
posted with sticky on 2014.12.21