「朝の気温が最高気温だと思ってください」「午前中は12月で午後は2月の冷え込みです」― 実際に冷えるのは辛いし事故や病気のリスクを考えると平穏であるにこしたことはないのだけれど、気象予報士の表現が非日常を連想させてテンションが上がる。台風がやってくるとき、予報円を伝えるテレビの静止画像を一晩中眺め続けるのは僕のデフォルトだ。
瀬戸内は滅多に雪が降ることがない。ましてや積もることはほとんどなく、僕の小学校の卒業アルバムには誰それが横綱になった、阪神が優勝したという歴史と並んで「明石に雪が積もった」ということが記述されているくらいである。雪に対する憧れは非常に強い。高校時代の修学旅行では、露天風呂に降り積もった雪を女子風呂に放り込み続けて先生に注意を受けた記憶がある。「どんどん投げこめーって言う西端の声が一番大きかったと、女子から」
雪は非日常。白のベッドに飛び込んでみたくなるのは人間も犬も同じ。今年こそはこの瀬戸内でその夢が実現するだろうか。
師走、冷え込み。慌ただしく過ごしながらも、この季節ならではの楽しみを浮かべながら過ごしていく。