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[短歌鑑賞]たくさんの孤独が海を眺めてた等間隔に並ぶ空き缶/木下龍也

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たくさんの孤独が海を眺めてた等間隔に並ぶ空き缶
木下龍也
つむじ風、ここにあります

ソチ五輪のフィギュアスケートで日本男子初の金メダルに輝いた羽生結弦選手の活躍は見事だった。

華やかな舞台、栄冠。その瞬間までには、どれだけの孤独と苦難があったのだろう。夢は目標にして、追いかけなければ実現しない。とはいえ、夢だけを口にした生き方も受け入れられず、保険をかけたような生き方を歩んでは、抱いた憧れを少しずつ封印していく年齢の重ね方がほとんど。押入れには微かに、そんな痕跡たち。

楽器屋に立ち寄っては、鍵盤で遊んでみたりする。そんな人生はどうだろうと本気で悩んだ海岸を、僕は久しく訪れていない。

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