降りだせる雨に気づけるきみを見て恋の終わりを予感しており
小島なお
サリンジャーは死んでしまった
クロージングやデート。
自分の話にだけ集中させるときは、自分が壁側の席に座って、相手には自分と壁だけが見えるようにするのが定石だ。ところが僕が同じことをすれば、集中力のない目があちこちへ泳いでしまい、かえって不信や失望を抱かせる結果となってしまう。それを「無邪気だね」と言ってもらえるうちは良くて、そんな時期は長くはなくて。
焦点が遠くなって自分が透明になっていったことの幾度。そんな傷の力を借りた詩歌なんだよ、なんて、知る由もないだろうけれど。