仕事始め。
お手伝いしている経営者の方々の話を聞いていると、銀行は銀行のペースに持ち込もうとしているような印象を受ける。経営計画などを自分たちのフォーマットに記入させて、評点を下げていく。結果、貸し剥がしの行いやすい言い分を作っているのではないか。事前にちゃんとした事業計画の有無について問われているようなので、銀行のペースに持ち込まれる前に自分たちの計画書を作っておくことが肝要であるように思われる。中小企業金融円滑化法の期限はすでに到来していて、これまでと同じ温さが続くとは思えず、借り入れとリスケを前提としたキャッシュフローになっている場合は銀行に対する迂闊な態度が命取りになりかねない。
中小企業円滑化法によって、元金や利息の支払いを免れる企業が増えた。結果、本来利息に充てるべきを考慮せず価格競争が激化して、デフレの進行したこともまた、見逃してはならない事実だと思う。今後締め付けが厳しくなれば、体力勝負を仕掛けていた企業は淘汰され、市場に出回る商品やサービスの価格も上昇する。同じ時期に増税もあって消費心理が落ち込むのだとすれば、ここからは商品とサービスの本質的な価値を提供するのは当然のこと、その付加価値と、付加価値のプレゼンテーション能力は重要になってくるだろう。
発信の術を持つことは重要だが、発信が「売り込み」になってしまってはならない。あくまで、そこにあるべきは対話と交流であって、交流を円滑にするために必要なことは「質問力(聞く力)」であると考えている。
従って、売上や利益率を向上させるためには営業力の資質が問われるものであり、その資質とはお客さまのニーズを聞き取る力である。そのトレーニングをOJTで行っているというストーリーを軸に事業計画を立てることを取引先の方々と一緒に取り組んでいるが、さて、この先、どんな色の春を迎えることができるだろう。