極度の人見知りで、「はじめまして」の一対一が苦手だ。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=SFxTcuM22bk
特に苦手なのが、陽気なパフォーマンスを披露してくれるトルコアイス屋さんだ。「このパフォーマンスで、お客さんはみんな笑うんだ。ここで笑っていいんだぜ、坊や」 ― そんな得意な顔に気付くとき、ありがちなリアクションをして応えてあげなければならないと思う。意図するタイミングでナチュラルな笑顔を見せなければならないと思う。すると、とてもぎこちない笑い方になってしまう僕は、相手を傷付けたような気持ちになってしまって、アイスを奪い去るように、その場を立ち去りたくなる。
トルコアイス屋さんと対峙することは、僕にとって冒険なのだ。
微かに響く金属音。
まもなく、僕の勇気を試される番である。
- 歯科の待合室にて
— 西端康孝 / 川柳家 (@bata) 2013, 12月 29
同じくらいの勇気を求められて、僕はその扉を開いた。
こうやって懸案だったことを一つずつ片付けて、新しい一年に向かっていく。無痛治療を売りにする先生の腕前は見事で、僕はほんのりと頬を濡らす程度の涙をこぼすだけで済んだ。支払いを終えながら、そういえば、今年はトルコアイス屋さんに出会わなかったことを思い出していた。