丁寧な取材をして編み上げられた一冊の本に出逢って、同じ地を訪れたくなることを至福と云おうか。
笑とる仏 [ 岩谷薫 ]価格:2,415円(税込、送料込) |
播磨の石棺仏を中心に、その写真はもちろん、云われなどが紹介されている。
石棺仏とは、古墳時代の石棺石材を利用して彫られた石仏のこと。鎌倉時代や室町時代の人々が祈りを込めて造ったもので、そのほぼすべてが播磨地方周辺に密集しているという。巻末にまとめられた地図を頼りに、優しい笑みを浮かべる石仏たちに逢いに行きたくなった。
特別な信仰があるわけではない。そこにあるものは「物質」かもしれず「存在」かもしれない。ただ、その前に居て、想いを念じた人たちの意識を感じるとき、ひとはちいさくも、大きなひとつひとつとして、その時代を構成してきたことがわかる。
日々の営みの中に祈りと願いがあるのは、いつの時代も。
毎日は、想いに満ちている。
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笑とる仏 [ 岩谷薫 ]
加古川や姫路在住の方、また、撮影することや優しい言葉の好きな方に特にオススメ。