お客さんを決めていくことの重要性を、いつも説いている。
あの仕事も、こんな仕事も、あのお客さんも、このお客さんもという構え方は、広さのトレードオフとして深さ(専門性/得意)を失ってしまうことになるからだ。ところが、実務の日々を走り続けると、今度は「数の優位」を失うことが怖くなってしまって、どんな案件にでも対応しようとしてしまいがちになる。捨てられないから、得ることが出来ない。尻つぼみへの悪循環。「わかってはいるのだけれど」という言い訳を先に、現状を打破出来ないままの足踏みを繰り返してしまう。
そんな時、尊敬している方が授けてくれた一言がとても心に響いた。
「見える範囲で仕事をしていく、わかってくれる人のためだけに一生懸命にやる」
当たり前のことだけれど、その当たり前を徹底しているからこそ、自分の色に合ったお客さんがついてくる。お客さんにも、最良の結果が伴っていく。信頼関係という絆が強くなっていくのもまた当然のことで、自分はそう、そんな関係を築いていきたいとやってきたはずだったのが、いつから何を恐がるようになってしまったのだろうと気付かされた。
理想も大事だけれど、見上げすぎては首を痛めるばかり。
前方の、すこし高さを含む場所と、足元の望めるあたりを見据えて、進んでいかなければいけない。
空を滑る鳥に、なろう。
感謝を添えて。