「電気シェーバーを両手で持って顎の辺りを剃ると、アイドルっぽい気持ちになれますよ」
そんなネタを温めたまま、10月を迎えることになった。世の中の大半を「どうでもいいこと」が占めているのだとすれば、僕の主成分もやっぱりそうで、時々は「どうでも良くないこと」の所在を確かめておきたくなる。ところで「電気シェーバー」の「電気」は蛇足のような気がするがどうか。
この夏は、いろんなことがあった。信念、生命について考えさせられた。どんな壁にも道はあると信じて、そこから逆算するのを常としていたはずなのに、すべてを捨てて、逃げたくなった。しんどかった。プライドや価値観を歪めて、無理に自分を適応させようとすると、壊れる。喜怒哀楽を出すことは、平静を保つために必要なことなのだと、36歳になって知ったような気がする。
挑戦したいことはいくつもあるし、しなくてはならない。
会社を継いだときに考えていた「三十代後半」の生き方と見せ方を、意識していく必要がある。あの頃呆れていた、言い訳の上手な大人になっていないかどうか、むかし見据えた理想を、いつも自問しながら行動していきたい。
充実の秋にする、食欲は食欲で、認めるとして。