夏の太陽に焦がされた人も、虫たちの奏でる楽器に耳を澄ませる。
同じ星の上に生きて、どんな悲しいことがあっても、ちゃんと季節は巡っている。
ほっとして、空を見上げる優しさは誰も同じ。
凍て付く冬の寒さではなく、この温もりのままが東北の町に続くことを心から祈りたい。
種を植えるように、芽の伸びるようにと、ページを繰っていく。
知恵は、誰かに繋がる力になる。
そう言い聞かせながら、秋の夜長に心を任せるままに。
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虫たちの音符を抜けていくページ
月刊ふあうすと 2011年10月号
裏表紙に掲載