「少しでも体力の残っているうちに、会社を清算する方法を教えてほしい」
こういう相談は初めてだった。
震災は、身体に心に傷を残す。そして、今度は見慣れた景色や存在にも、様々な
影響を及ぼし始めている。
100年に1度の不況だとか、1000年に1度の大災害だとか。
どうして、今まで通りを空は許してくれないんだろうね。
桜は、僕の悲しみの時間にリンクしている。
病院に通った毎日や、
集中治療室で大声で呼んだこと。
3年が過ぎても、その瞬間は生々しい。
期待した仲間に裏切られたり、
こんな大災害に気持ちが沈んでしまったり。
そしてまた、身近に、少しだけ心配なことが起こり始めるだとか。
今年は、色々ありすぎて、「自分がつぶれそうだよ」と、つい声に出してしまった。
声にならない悲鳴をあげて、引き裂かれた悲しみの時間。
思い出して。
あれ以上の切なさはないよね、と、見上げては父の場所。
杞憂でありますように。
希望だけの、これからでありますように。
いつも、助けを求めてばかりで申し訳ないけれど。
いつも、助けてくれるように、今回も、また。