毎年恒例の柿狩りに行ってきた。
近所の空を、飛んではいけないものが飛んでいても、
外を出て歩くだけで倒れてしまうくらい、とても暑い夏であっても、
ちゃんと、カレンダー通りの色に、山は流転していく。
今年の幸せは、どれだけ持続しているだろうか。
今年の哀しみは、どれだけ癒すことが出来ただろうか。
斜面に腰を掛けて、しばし、そんな時間。
夜、高校時代の友人M、母上の御通夜式に参列。
言葉はいらなかった、ただ、抱きしめてやりたいと思った。
残念であること、無念であること。
それは今なら、本当によく分かる。
無常。
制服姿のまま遊びに行った、あの頃と気持ちは変わっていないつもりでも、
そのままではいさせてくれない何か。
流れてしまうから、悲しくもあり、
流れてくれるから、楽であるとも言え。
石ころのように、削られて、慣らされて、丸くなっていく。
万物の歴史のなかに、小さな小さな命は、繋がれて、生きている。
山からもらった実りは、
自分の希望の源でもある、愛犬じゅにあに届けてあげることにしている。
いのちは、そんな風に、繋がるんだね。