先日、ある勉強会のテーブルで一緒になった方は、経営に関する理論に詳しく、
本当に良く勉強されている印象を受けた。
ただ、とても残念だったのは、その知識を表に出しすぎたこと。
水平な立場で議論しあうはずの時間の大半は、その人の話に終始してしまい、
反論を許す隙のない雰囲気に、不快感を抱かれた方も多かったことだろう。
知っていることを話すのではなく、知っていても、はじめて聞くような顔で
相手に相槌を打てること。
理論よりも先に、人付き合いの基本として、「相手との間(ま)」を考える
スキルはとても重要なものだ。
どう話せたか、は勿論、どんな頷き方が出来たのだろうか、ということに
重きをおいて、僕たちはお客様に接するようにしている。
正論よりも共感。
サービス業の基本だと思う。
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経営者は、何かしら、自分の教科書を持っている。
影響を受けた理論、人物。
それを聞き出すことが出来れば、次のフローチャートは自然と見えてくる。
だから、知っている必要があるし、
だから、知らない振りをして、聞いてみる我慢も必要。
会話のキャッチボールがうまく出来ない人は、投げられたボールを
受け止めようとしすぎているのではないだろうか。
「休みの日には、何をしているんですか?」
「ドライブに出掛けたり、ショッピングに行ったりします」
と答えるのは△。
ひとは、自分の聞かれたいことを聞く性質があるのだから
「休みの日には、何をしているんですか?」
「ゴロゴロしてますよ。**さんこそ、どんな風にお過ごしで?」
と聞き返すのが○であると言える。
相手の心を自分の心において。
同じ大きさのボールを投げ返すこと。
いつも、そういう交流の仕方を、心掛けていきたい。