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死の数日前に届いた手紙、御仏前にて。

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ようやく週末、ぐて。

明日は、新しい洗濯機がやってきます。
といっても、去年購入したものがあまりに調子が悪いので、差額を払って、最新の
ものに交換してもらうことにしたのです。

何故か洗濯機とは相性が悪く、リコールになったり、持ってきてもらうものの、数日で
調子が悪くなって交換してもらったりと、その繰り返し。

ちなみに、明日来るのは、【この7年間で6台目】になります。

見た目だけは、いつも最新の我が家の洗濯機(調子悪いのばっかりだけど)。

さて、今日は新しいお客様の御自宅にお邪魔してきました。

とても素敵な眺め。
明石海峡大橋と淡路島を望みながら、打ち合わせも弾みました。

昨年亡くなられた奥様の川柳遺句集を作ってあげたいというご相談。

実はその奥様、亡くなられる直前に、うちの会社にお手紙を寄せて下さっていました。

 「明日、手術します。時間がありません、本を作りたいのです」

弱々しい字に込められた、切実な想い。
すぐに電話しましたが、その時はもう、手術後で絶対安静が必要とされているときでした。

そうしてしばらく経ってから、結局、一度もご挨拶を出来ないままに訃報に接することに
なってしまったのです。

無念な想い、ずっと、ずっと。

勿論、仕方の無かったことです。
でも、生きている間に、本にすること、活字にすることの夢を、一緒に語ることくらいは
出来たのではないか。そればかりを考えては、手元に残ったお手紙を詫びるような気持ちで
何度も読み返し続けてきたのでした。

今回、ご縁があって、遺句集という形で制作に携わらせていただくことになって、
本当に嬉しく思っています。

今日は、御仏前で、この気持ちを素直にお伝えしてきました。

必ず、すてきな本を添えさせていただきますと、お約束してきました。

一期一会、ひとの命の儚さ。

僕たちのお客様には、高齢の方も多くて、その人生や、命そのものから、様々なことを
教えられることがあります。

どんなタイミングに巡り会う奇跡たちにも、僕らは、想いを込めて仕事に取り組んで
いかなければなりません。

残るもの、伝わるもの。

斜陽産業と言われる印刷業界の中で、僕たちの、いつも失いたくない誇りです。

二人三脚の位置で、奥様に喜んでいただけるようなものを。

どうやら、まだまだ、熱い夏は続くことになりそうです。

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