格差社会を問題にしておいて、「無知」であることを笑いものにしている。
誰かを見下したり、誰かの上位にいることで安堵を覚えることは、そんな格差や
差別といった言葉からは、遠いところにあるのだろうか。
冗談を冗談と理解できない子供たちが、こんな番組を見たらどうなのだろう。
「勉強なんて出来なくっても、テレビに出られる有名人になれるよ!」
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無知であることがタレントの評価になることも問題がある。
芸人は笑われることが仕事ではなくて、「笑わせること」こそが仕事。
その才能こそがタレントの原義である。
無知であることが無恥になってしまった。
何とかなる、だけで、ほんとに何とかなってしまう人生ばかりが脚光を浴びるのでは
なくて、当たり前のことを当たり前にこなしてきた人たちの努力が、もっときちんと
評価される世界であってほしい。
生き様は、伝えるべきものであって、自分に重ねるべきものであって、けっして、
面白いとか視聴率がいいとか、それだけの判断基準で制作や放送の是非を論じて
欲しいとは思わない。
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視聴率がいい、や、悪い、や。
商売、だというのであれば。
どの番組に、どんなスポンサーがついているのか、そんな一覧があったらどうだろうね。
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メディアに受動的になりすぎると、火傷をしてしまう。
作られた世論や集団の一員になってしまわぬよう、いつもこの、少し熱くなりすぎた
世界からは、適正な距離感を保つことを意識しておきたい。