繰り返してばかりの、争いの炎に。
飽き飽きしていて、それは、天気予報と変わらないくらい、
見慣れたニュースの一部だった。
きっと、誰かが始めたんだろう。
きっと、そのうち終わるんだろう。
そんな程度の認識で。
今日も、“ほんの”、命は。
ちぎられて、全体が、ただ、なんとなく。
何事も無かったような顔をしながら、遠くに、近くに、のぼる、
煙と魂を、無関心な顔をして。
静かに、ぼーっと、眺めているばかりだった。
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【掲載】国境の濡れ雑巾が追いつかぬ
ふあうすと2007年06月号
全人抄(中川 一選)