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[川柳鑑賞日記]廃屋の窓辺に鳴らぬオルゴール/川村やまと

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オルゴールを囲んだのは、愛だっただろうか団らんだっただろうか。もう、その温かい光景には及ばず、廃屋のオルゴールは窓の外を眺めて余生を過ごしている。ある場所に、オルゴールがあった。それが描写されただけの句であるのに心を惹かれるのは、温度からの落差と、音のあった世界から静寂の世界への変化が織り込まれているからであろう。言葉をそぎ落とした想像の先でのみ、オルゴールはやさしい響きを奏で続ける。

廃屋の窓辺に鳴らぬオルゴール/川村やまと
川柳ふあうすと 2024年11月号

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