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片想い ― 青き炎は燃え続けて。

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東野圭吾さんの『片想い』、読了。

片想い

文藝春秋

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人は変わるのか、変わらないのか。

青春のままの顔を思い浮かべて、空想の中で話しかけることがある。
自分のストーリーの中で、期待通りの答えが聞けると、それだけで安堵を
覚える。

実際に話しかけたらいい、電話やメールをすればいい。

でも、それが出来ないのは、ちょっとした「変化」や「拒絶」を極端に
恐れている自分がいるからでもある。

(変わらなければいいのに)

青い気持ちなのだろう、きっと。
そして、その気持ちがあるから、苦しいこともあり、また、未だに夢を
抱き続けることの出来る、そんな情熱も失わないで済んでいるのかもしれない。

年齢相応、なんて定義付けの言葉、読み終えた今は、聞きたくないと思う。

人の気持ちは、いつも、揺れ動くもの。

メビウスの輪のような、表とも裏ともつかない場所にいて、曖昧を生きている。
そのとき、そのときの風の中で得られる決意に、納得した気持ちになったり、
時には後悔もしてみたり。

どんな過ちの選択であったとしても、熱き情熱の道であったと自負しているからこそ。

自分に関わった、そのすべての人たちには、どうか、過ごした全ての時間を
同じ温度を持って、受け入れていてほしいと願う。

同じ時代を生きた、あの頃も、そして今も。

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