「俺は海賊王になる」とは、強い意志の感じられる言葉。「なる」と言い切ってみせるところにパワーが漲る。周囲はここからの、彼の言動と行動に期待を寄せるようになる。
「俺は海賊王にならせてもらう」とは、棚から牡丹餅、受け身の言葉で、打算的な意図も含まれているように感じてしまう。周囲はこの人からにじみ出る灰色のオーラに疑念を抱くようになるかもしれない。
有言実行、成文化、言葉にすれば夢がかなうという類の話も同じことだと思う。意志の言葉にすれば、自分の言葉に縛られて、行動が変化するようになる。周囲からの援助も受けやすくなる。周囲が放っておかなくなる。一方で、受け身の言葉にしてしまうと、薄弱とした意志に途端にオーラは消えてしまう。結果的に周囲が距離を置くようになってしまう。強さと弱さの好対照。
言葉は大事だ。職人が細部に魂をこめるように、言葉は語尾にチカラが宿る。
僕たちは意志の言葉を用いているのか、受け身の言葉を用いているのか。書く前に、発する前に、今一度、言葉の持つ熱量について考えるようにしたい。