8月19日と20日の差は大きかった。高校野球が終わると、焦燥感はさらに強くなっていった。夏休みの終わりはいつも重たかった。吹いてくる風に優しさが含まれて、蝉たちは違う音色の楽器を奏で始める。たった一日の違いを重ねながら、季節は確実にカーブを曲がっていこうとする。
— 西端康孝 / 川柳家・歌人 (@bata) 2017年8月19日
夏の終わりに確実に「線」は存在して、僕たちを昨日と今日の大きな隔たりに分けようとする。途端に、何か忘れ物をしてしまったような気持ちになって焦るのだけれど、時すでに遅く、色も匂いも、もう、表情を変えてしまっていて、耳の奥にはきーんとした残響が残るばかり。毎年、時間と季節は加速していき、僕はすっかり、おじさんになってしまった。
8月19日と20日のあいだにある線。焦燥。青からは遠くなってなんだろうね、この、胸を支配しはじめた枯れたような色と風の寂しさは。