資金などのリソースが限られる中小企業にとって、「発信の継続」は世界とつながる唯一の手段といっても過言ではない。自分はブログやSNSを活用することで、自分の振る旗をたくさんの人に認めてきてもらった。「こんなことをしていますよ」という具体的な商品やサービスを提示せずとも、「こんなこともできる?」と相談を持ち掛けてきてもらえるのは本当にありがたいことだ。
お得な情報ですよ、と書いたとて、使い古されたその表現に誰も反応しないのは明らかだ。「この商品があります」「こんなサービスがあります」というのは、伝えているようで、受け取り手不在の自己満足にすぎない。だから僕は、いつだって相手から話しかけられるような仕組みを作ることが商売の根幹だと考え、行動するようにしている。相手から話かけられるようにするためにはどうすれば良いのか、会話が生まれるようにするためには何をどこに置いておけば触れてもらえるのか。頭のなかにはいつもそのことがある。
いくつかの無料ブログサービスは、PV(=ブログの閲覧回数)を水増しして報告する仕組みになっている。だからつい、書いている(伝えたい)側は「それだけの読者がいて、伝わっている」と受け止めてしまうのだが、読まれていない回数を自分のファンの数だと勘違いして発信を継続してしまうと、上滑りしたような、「ほら、こんなことをして差し上げますよ」という上からの言葉になってしまうことがある。これは本当に気を付けなければいけないことだ。
「こんなことをやってあげますよ」という上からの言葉ではなく「こんな風にしてお役に立ちたいと思う自分がいる」という謙虚な言葉を選ぶこと。商売についての発信は、語尾をそんな風にしてコツコツ継続していくことが大切だと僕は考えている。