水木しげるさんが亡くなって、水木さんの幸福の七か条というものが出回るようになった。そのなかにある「怠け者になりなさい」について、「あくせくと働くのではなく自分の時間を大事にしなさい」という教示と受け止める向きもあるようだが、はたしてそうなのだろうか。怠けていても生きていけるように「やるべきときにやるべきことをやりなさい」というメッセージに僕は受け取るのだけれど、違うだろうか。人生に貯金をつくっていく。それは何もお金だけではなくて、能力や教養、人間関係、すべてに時間とお金を投資していくということだと僕は考えるようにしている。失敗のない人生はないのだから、明日よりも今日、スタートを切って失敗を積み上げていったほうが、生き方は豊かになる。早く始めて失敗をたくさんする。人生で一番若いのは今日であるということ。
読んだ本でもいい、会った人でもいい。時間を何に投資したか、毎月、給与に関する面談を行う際、その点を評価に組み入れるようにしている。土があれば種を蒔き、種を蒔いたら水もやるだろう。その積み重ねの価値を知ってほしいと思う。まだまだだな、と思う。