虫だけが秋を歌って、海峡を渡る汽笛がかすかに聞こえる。やがて朝のバイクがやってきて、カラスたちが存在を知らしめるような声で街を賑やかにする。明け方の4時や5時くらいにはいつもtwitterやFacebookのタイムラインが完全に停止する瞬間があって、静寂のなかで自然と一体化する感覚になることができる。眠れなくて迎える時間ではあるのだけれど、眠れなかった身体を癒すような朝の抱擁をしばらく、目を閉じて味わう。
虫たちは新聞配達のバイクを聞いて、カラスを見上げて朝に帰る。
— 西端康孝 / 川柳家・歌人 (@bata) 2015, 10月 7
[俳句]虫を聴く夜やメールのこころなし | 短歌と川柳とマカロニと年度でいえばまだ半分が終わったばかりなのに、もう、来年の春からのことがいくつも動き始めている。未来を見なければ今は生きられないけれど、遠すぎる未来は他人事のようにも思える。僕は僕なのに、僕は他人のことを決めている。未来は今を、恨めしく思うだろうか。