離着陸のストレスは大きいだろうし、安堵してくたびれて、夢なんて見ている余裕はないのかしれないけれど。
帰っていく飛行機雲たちが、夜、どんな夢を見ているのか聞いてみたい。一日の大半を空に触れて過ごした人たちの脳のスクリーンにあるものはどんな色や形をしているのだろう。職業病というものがあるのだとすれば、空という環境はどういった作用を及ぼすのだろうか。そんなことを考えて過ごすのが好き。
飛行機が残した跡を見上げながら仕事をするのは楽しくて、風に吹かれてノートパソコンに向かう。ふふふんと気取ったところでやっぱり様にならない僕は、気が付けば全身を蚊に噛まれている。あちこちに爪で×印をつけながら、夏の憂鬱を考えていた。汗、蚊、そして決算。