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二つ折り名刺の功罪 ~名刺は穴埋め問題を作るように、渡す自分ではなく渡される相手のことを

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対価を得ている以上はプロなのだから、表現するものに理由があるのは当たり前のこと。ただ、その理由や理屈を説明して納得させるのはいかにも机上の空論という感じがしてしまうので、相手の感性に訴えかける「たとえば」という表現を用いるようにすると良い。

書いている文章の意図が相手に伝わらないときに使いたい、「たとえば」の力。 | コトバノ

起業されて間もない方は、実績が少ないために、どうしても理屈で説明しようとする傾向が強い。この時期、二つ折り名刺を用いて、情報を盛り込みすぎるきらいもある。書かれている情報が多すぎると名刺交換のときに相手からの問いかけが生まれない。名刺は渡すものではなく、交換するもの。なにを伝えるか、ではなく、何を聞かれるようにするかという仕組みを考える必要がある。テストでいえば穴埋め問題を作る感じ。パソコンの前にいて名刺を作る人、実際に名刺交換の場に多く臨む機会のある人、前者と後者では紙の上で表現されるものも大きく異なり、その先で得られる効果もまるで違う。

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商売は交流の中にあるもの。僕たちは、デザインが大事なのではなく、デザインのなかにある「とんがったもの」を仕掛けておくことに意味があると考えている。格好の良いデザインが良ければそういう人に頼めば良いと思うが、名刺を渡す人ではなく、名刺を渡された人が質問をしたくなるようなものにしたければ、論よりも実践を大事にしてきたところに相談をするべきだろう。もちろん、そういう人たちは論を知らないわけではなく、論を前に出して伝えてしまうことの危うさも十分理解しているのだと思う。

名刺のことだからデザイン会社や印刷会社に頼めば良いというのではなく、実業として何年も商売をしてこられた方にアドバイスを求めてみる。そこから学ぶのは、論ではなく道理。「デザイン会社」「印刷会社」「コンサルタント」etc… いかにもな肩書きに惑わされるのではなく、道理を実践してきた人に見出すこと。経験に勝るものはない。

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