生まれてすぐに前脚を事故で失った猫のMercury君。尻尾でバランスを取る彼は、後ろ足だけで上手に階段を上っていく。この表情と瞳からは、ハンデを理由に何かを躊躇するような雰囲気は微塵も感じられない。
たとえば僕たちは「時間がない」だとか「お金がない」だとか、それらしい理由をつけては新しい世界の扉をなかなか開こうとしない。向こう側の世界の価値を経験則で推し測って、見てきたような口振りで評論家になろうとする。自分の限界やその先の色や形なんて、足を踏み入れた人だけがリアリティのある言葉で発することができるのに、だ。
Mercury君の行動力は、動画を見てもらったらすぐにご理解いただけるだろう。なんの理由も、なんの言い訳もない。存在するのは「何だろう?」という好奇心だけ。だからすぐに、答えや目標に向かって身体を動かすことができる。色々な世界を覗くことができる。
明日を今日の繰り返しコピーにしてはいけない。
この、純真な瞳から考えさせられた。そんなこと、損なこと、尊なこと。