昔、弟が撮影したじゅにあ。
ピンぼけしてしているけれど、アイドル犬の雰囲気がよく出てる。
春の嵐のなか、じゅにあは空へ昇っていった。その最後、「ごめん」ではなく「生まれてきてくれてありがとう」を伝えられた。小さな壺に収まったじゅにあを、父親犬のぺぺの横に添える。悔しいけれど、その場所が一番落ち着くんじゃないかい? 久々の再会を、ぺぺはどんな顔で迎えてくれたのだろう。
母と弟と食事、買い物。
もう生き物は辛いと言い、母は花をたくさん買っていた。母は足腰が弱り、弟は続く喘息の発作で呼吸が荒い。徹夜で看病を続けたここ数日の闘いで、家族の体力も限界に近づいている。家のなかでは、風の通るたび、じゅにあの残り香が揺れる。寂しさと苦しさを押し殺すように、鳴き声に満ちていたころの思い出話をしばらく。
いろんな方に寄せていただいたメッセージを、改めて読み返した。
犬と泣き虫飼い主の物語に、これだけの方が心を寄せてくれた。いつも注目されることが大好きだったじゅにあに、これ以上の供養はない。まだ十分に返信の出来ないままの失礼をどうかお許しいただいて、明日から取り戻していく日常に、どうかこれまで通りのお付き合いをお願いしたい。
何度も叫んだ。
泣いた。
叩いた、走った。
涙は涸れなくて、心は凍えそうだった。
から。
そのひとつひとつの、どれだけ温かかったことか。
こころからの感謝を。
世界で一番大好きなじゅにあになりかわって。